5時間弱、ソフトバンクの携帯が不通になった

「あれ、スマホ、つながらない?」

12月6日午後、ソフトバンクとワイモバイルのモバイルネットワークに、大規模な通信障害が発生した。ソフトバンクの発表によると、被害の対象は4G(LTE)ネットワークで、発生した時間帯は午後1時39分から午後6時4分だという。その間、両社のネットワークはもちろん、それを用いてサービスを提供しているMVNOやWi-Fiなどにも通信できない状態が生じた。

筆者の周囲でも、生き残っていた3Gネットワークへのトラフィックの集中などの影響で、少なくとも同日午後の間はまったく使えないという雰囲気だった。連絡が取れない、仕事にならない、目的地にたどりつけない……。こうした悲鳴や恨み節が聞こえたのはもちろん、モバイルSuicaやコンサートなどのデジタルチケット、金融や航空サービスの一部でも障害が生じていたようだ。

2018年11月5日、決算記者会見で話すソフトバンクグループの孫正義会長兼社長。(写真=時事通信フォト)

これは普及率が7割を超えたスマホが、都市部を中心に社会インフラとなっていることの裏返しであり、一方でNTTドコモやKDDIが正常にサービスを提供していたことから、日頃忘れられがちな「通信サービスの品質」へ久しぶりに注目が集まった事例だった。

「証明書の期限切れ」でエラーが生じたと発表

今回の通信障害の理由は、ソフトバンクのコアネットワークを供給するエリクソンの機器トラブルによるものだと、両社からそれぞれ発表されている。

コアネットワークとは、基地局間を結び、通信サービスの根幹を形成するネットワークである。ここにトラブルが生じると、基地局(端末と直接通信をする、ビル屋上等に設置された無線局)や端末が正常に動作しても、通信はまったく成立しない。

本稿執筆時点では、トラブルの詳細な原因は明らかにされていないが、エリクソンからは第一報として、MME(Mobility Management Entity)と呼ばれるコアネットワーク機器のソフトウェアについて、「証明書の期限切れ」があったことでエラーが生じた、と発表されている。MMEとは、端末がネットワークに接続する(つまり通信サービスを利用する)ために不可欠な「コントロールプレーン」を制御する機器であり、これが正常に機能することがLTEサービスの大前提となる。