子どもが病気になった途端、オロオロしてしまうパパは多いことだろう。緊急事態で活躍するには、「まず子どもの通常の健康状態を把握すること」と、一般社団法人「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」代表の阿真京子さん。「お医者さんが敏感になるのは、親の言う『いつもと違う』という言葉。いまと普段の状態がどう違うかがわかるのは、子育てに参加している親だけなんです」という。

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「同じだけの知識と目線を両親が共有していればトラブルを乗り越えやすい。力を合わせないといけないときに、ケンカしてしまう夫婦が多いのは残念です」(阿真さん)

また、小児科を選ぶときのポイントはどこなのか。総合小児科医の森戸やすみさんはこう解説する。

「コミュニケーションが取りやすい医者が一番です。経験上、『発熱に反射的に抗生剤を出さない』『説明なく検査しない』をクリアしているドクターがオススメです」

子どもの病気で気になる疑問を小児医療の専門家2人に聞いていく。

【1】いまさら聞けない基本編

「朝、息子の熱が37.2℃でした。仕事もあるので、子どもを保育園に連れていってもいいですか?」

【森戸】発熱と呼ばれる体温は37.5℃。これを基準に考え、熱がこれ以下で元気だったら連れていってもいいと思います。ただし37.5℃より下だとしても、調子が悪そうに見えたり、これから上がりそうな様子だったら、やめておきましょう。

解熱剤を飲ませて送り出す人もいますが、数時間で効き目が消えて、結局保育園から呼び出されます。子どももつらいを思いをして、根本的な解決にはなりません。最初から家で休ませるのが一番です。

【阿真】強引に保育園に連れていくと、別の病気をもらって帰ってきたり、思いのほか病気が長引いたり、しっぺ返しをくらうことがあります。体が少し熱かったり、すぐ寝たり、あまり食べなかったり、ちょっと具合が悪いなと思ったら、まずは休ませる。その習慣をつくっておくと、子どもが自分の体調を早めに察知して、「調子悪いかも」とすぐに知らせてくれるようになります。

日常的になっていて、つい忘れがちですが、保育園に長時間預けるほど、体は疲れていきます。平日の疲れが蓄積し、木曜、金曜に体調が下り坂だと感じたら、土日にムリをさせないということが結果的には功を奏します。子どものためにという思いはわかりますが、1度決めた週末の予定を崩そうとしないパパも目立ちます。子どものため、キャンセルする勇気を持ちたいものです。