写真SNS「インスタグラム」には「ハッシュタグ」という機能がある。単語の前に「#」をつけることで、写真を特定のキーワードにひも付けることができるのだ。新潟市ではこのハッシュタグを分析することで、埋もれている観光資源を再発見し、若者へのマーケティングに活用している。“インスタ先進都市”の取り組みとは――。

インスタ投稿データを活用した「観光マップ」

インスタグラムの投稿情報をもとに作成した新潟市の観光地図

写真SNS「インスタグラム」が人気です。国内での月間利用者数は2900万人(2018年9月末時点)。それにともなって全国の地方自治体でも活用が増加しています。私が代表を務める会社「パスチャー」では、インスタグラムを活用した観光振興を全国で支援しています。

このうちインスタグラムの活用に積極的な自治体のひとつが新潟市です。観光客向けに配布する観光地図を、インスタ投稿データをもとに作り直して11月に公開しました。

マップに掲載した観光スポットは、インスタグラムの投稿時に付けられるキーワードである「ハッシュタグ」から選定しました。例えば、「#新潟市」というハッシュタグのついた投稿に一緒につけられている「#新潟珈琲問屋」といった店舗名や観光スポット名を分析して、人気のスポットを見つけています。

繁華街は若者にとって「古着のまち」だった

ハッシュタグ「#新潟市」と一緒につけられているのは、「#日本酒」や「#白山神社」など、すでに観光客向けにPRしている内容が多かったのですが、新潟市の繁華街である「#古町」と一緒に投稿されたハッシュタグを分析したところ、興味深い結果が得られました。「#古町」と一緒に投稿されるのは、古着やファッションに関わるハッシュタグだったのです。