実母は介護できても、実父や義父の介護は抵抗がある。介護経験のある50~70代の女性400人に聞いたうち、介護経験のある人は105人(26.3%)。その中で、実母を介護した人は64.8%だったのに対し、実父は36.2%、義父は19.0%と差が出た。調査をした「ハルメク 生きかた上手研究所」の梅津順江所長は「プロでも実父や義父の介護は難しい。施設やヘルパーを活用したほうがお互いにいい」という。なぜなのか――。

娘による親の介護「実母は多いが実父が少ない理由」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Nayomiee)

「ハルメク 生きかた上手研究所」では、50~60代を中心とした女性400人に、「介護の意識と実態に関するwebアンケート」(※1)を行いました。シニア女性向け雑誌『ハルメク』の2018年12月(11月10日発売)号の「介護」特集に向け、介護の現状を知ることを目的としたものです。

※1:webアンケート調査時期は2018年7月。回答者は、50代前半が158人(39.5%)、50代後半が95人(23.8%)、60代前半が61人(15.3%)、60代後半が53人(13.3%)、70代以上が33人(8.3%)。

女性400人のうち、「現在もしくは過去に家族の介護経験がある」人は、105人(26.2%)でした。この経験者105人に、介護したことのある家族の続柄をすべて教えてもらいました。(※複数回答)

多い順に並べると、

実母(68人/64.8%)
実父(38人/36.2%)
義母(32人/30.5%)
義父(20人/19.0%)
配偶者(7人/6.7%)
それ以外の家族(9人/8.6%)

娘が「実母」を介護した・している割合が群を抜いて多いことがわかります。

誰がどのように(誰と)看たのか?

大多数を占めたのは「親(実父・実母)の介護」でしたが、50~70代の女性=娘は、誰の協力を得て両親を介護したのでしょうか。

105人のうち、実母・実父・義母・義父の介護経験のある101人に聞いてみたところ、結果は次の通りでした。

きょうだいと協力(32人・31.7%)
外部の施設・ヘルパーと協力(24人・23.8%)
自分ひとり(23人・22.8%)
配偶者と協力(13人・12.9%)

きょうだいと力を合わせて、というパターンが多いようです。ただし、介護する女性(娘・嫁)も、被介護者が実母、実父、義母、義父の誰であるかによって「介護する方法」が異なります。