女性が年上男性とデートをして、見返りにお金をもらう「パパ活」。ヘビーユーザーという44歳の既婚女性は、最難関の理系大学院出身かつ外資系企業に勤務するエリートだ。彼女は「初回からホテルOK」にしてまで多くの男性と会っている。それはなぜか。前編に続き、「純愛を求めている」という彼女のインタビューをお届けしよう――。

※本稿は、坂爪真吾『パパ活の社会学』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

男性からもらうお金は「ガマン料」

交際クラブでは、「初回からホテルOK」にしないとそもそもオファー自体が来ない、という傾向がある。それに加えて、洋子さんの述べるような「相性の合わなかった時の悲劇」が生じるとなると、最終的には大多数の男性・女性会員が、「初回からホテルOK」になっていく引力が働いているのかもしれない。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Juanmonino)

ただ洋子さんも語っているように、女性にとって「初回からホテルOK」に設定することは精神的な抵抗が伴う。男性会員からもらう謝礼は、「自分の嫌悪感にフタをする代金」であり「ガマン料」であると洋子さんは考えている。

「あなたのことは嫌いじゃないけど、そういうことをするのは嫌。改めて言葉にすると、結構ひどいですよね(笑)。出会い系サイトの時は、40代後半くらいの人までしか付き合ってこなかったんです。あくまで自分のストライクゾーンの枠内の男性とだけ、付き合ってきた。交際クラブは、一番若い人でも同い年で、あとはそれ以上。年齢的には全くストライクゾーンじゃない。まさにガマンですね。

確かに、皆さんのお仕事は尊敬できるし、私のことを大切に思ってくださっていることも分かる。その先のことを考えてワクワクしてくださっていることも分かるので、自分が一緒にいて楽しんでくれるならいいかな……と。でもお金はください、みたいな(笑)」

オファーは来るが、意外と関係は続かない

女性が交際クラブに登録した場合、最初の数カ月の間に男性会員からのオファーが集中する。洋子さんも、登録してからの約半年間で7人の男性に会った。

「最初はすごく忙しかったです。毎日のようにデート、デート、デート。せっかくのオファーなので、断らないようにしようと思って。

男性側の情報は、クラブはほとんど教えてくれません。おおまかな年代と『恰幅のよい方です』『お医者さんです』『優しい感じの方です』といった程度でしょうか。待ち合わせ場所は、ホテルのロビーが多いです。赤坂のANAインターコンチネンタル、汐留のコンラッド東京、池袋のメトロポリタンとか、高級ホテルが多いですね。

クラブの私のプロフィールには『和洋中華好き嫌いなく何でも食べます』と書いてあるので、皆さんホテルのレストランでディナーの予約を取ってくださっていることが多いです」

食事が終わると、男性は「じゃあそろそろ」「部屋を取ってあるので、どうですか」と聞いてくる。洋子さんは、よっぽど嫌な相手でなければ、たいていそこでOKを出すという。

「自分から『いくら欲しいです』とは言いません。言える立場でもないので……。お好きな額で大丈夫ですよ、と伝えると、大体皆さん、3万から5万を渡してくださることが多いです。3万を切ったことはないですね」

これまで、会った当日にホテルに行った相手は3人。2回目のデートでホテルに行った相手は1人。1回目のデートでホテルには行かず、そのまま終わった相手が1人。