高所得者と低所得者の「時間の使い方」にはどんな違いがあるのか。雑誌「プレジデント」では、年収2000万円と年収500万円のビジネスパーソン150人ずつにアンケートを実施。その違いを探った。第4回は「趣味&勉強」について――。(全4回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年5月15日号)の掲載記事を再編集したものです。

趣味編
情報収集、付き合いに役立つ教養――仕事とリンクしているかどうかが分かれ目

趣味に関する質問の2位・3位は高所得者が「外食」「スポーツ」、低所得者は「読書」「映画鑑賞」だった(図1)。「高所得者のほうが外食の頻度や運動時間が多く、活動的ですが、それが趣味にも反映している。低所得者は読書、映画鑑賞、テレビと比較的お手軽な趣味が並んでいるのが特徴」(不動産から医療法人まで年商100億円の企業グループをつくり上げた金森重樹氏)。

経済評論家、投資家として活躍する加谷珪一氏によると、高所得者の外食、スポーツは純粋な趣味というよりも実益を兼ねているようだ。「高所得者には、やはり自分をマネジメントするストイックな姿勢が感じられます。低所得者の4位が買い物ですが、お金と時間の浪費を繰り返す負のスパイラルに陥っている可能性があります」。

高所得者は外交的で活動的である一方、本もよく読む傾向がある(図2)。「エグゼクティブがビジネス書や専門書を多読しているのは間違いない。ただ、飛ばし読みで、じっくり読む習慣はないでしょう。話に引き込まれて、気づいたら朝だったということはたぶんないはず。逆に読書が趣味という低所得者の中にはエンタメ小説に入り込んで、つい夜更かししてしまう人もいるのでは」(加谷氏)。