ムダ遣いをしてしまう、行動がのろい、片づけられない……。そんな苦手を克服するにはどうすればいいのか。今回、9つのテーマに応じて、各界のプロにアドバイスをもとめた。第7回は「ムダ遣いが多い」について――。(第7回、全9回)

※本稿は、「プレジデント」(2018年7月16日号)の掲載記事を再編集したものです。

ボーッとした脳が刺激を求め衝動買い

写真=iStock.com/gpointstudio

ダメだと頭ではわかっているのに、つい買ってしまう……そんなムダ遣いをしたことは誰でもあると思います。意思が弱い、性格的なものなどと半ばあきらめている人もいると思いますが、実はこうした浪費は脳に原因があります。

脳には、1000億を超える神経細胞があり、同じような働きをする細胞は近い場所で働いています。私はこれらを「8つの脳番地」に割り振りました。

▼8つの脳番地をうまく活用できないとムダ遣い発生!
脳番地を刺激し覚醒を上げれば冷静な判断ができるようになる

(1)思考系脳番地
思考や判断に関係する脳の司令塔。活用できないと、周囲の声に乗せられたり、比較できずに両方買ってしまったりすることも。
(2)理解系脳番地
物事や言葉など外部から与えられた情報を理解し、役立てる。活用できないと、自分に合わないものを買ってしまうなど「いい買い物」ができない。
(3)記憶系脳番地
覚える、思い出すことに関係。知識の記憶と感情の記憶を連動させることで鍛えられる。活用できないと、過去に失敗した買い物を繰り返す。
(4)感情系脳番地
喜怒哀楽など、感性や社会性に関係する。活用できないと、気分に流されて不要なものを購入してしまう。人に大金を貸してしまうことも。
(5)伝達系脳番地
言葉、文字のほか、ジェスチャーなど話したり伝えたりするコミュニケーションを担当。活用できないと、店員に欲しいものを的確に伝えられず、中途半端なものを購入。
(6)視覚系脳番地
文字・言葉を読み取る左脳が活用できないと、商品スペックを見落とす。絵や映像を読み取る右脳が活用できないと、いい商品を見逃すことに。偽物を購入してしまうことも。
(7)聴覚系脳番地
言語や音など耳からの情報に関係する。活用できないと、店員の話が頭に入らず、疲れて妥協した買い物をしてしまう。
(8)運動系脳番地
体を動かすこと全般をつかさどる。活用できないと、ネットショッピングなどを好むようになり、実物を見ないで購入して失敗することに。
※加藤氏への取材をもとに編集部作成