高所得者と低所得者の「ネットの使い方」にはどんな違いがあるのか。雑誌「プレジデント」では、年収1500万円と年収500万円のビジネスパーソン250人ずつにアンケートを実施。その違いを探った。第1回は「仕事での使い方」について――。(全4回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年7月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

若手低年収層の3割以上が、家でパソコンを使わない

仕事でもプライベートでも、現代のビジネスパーソンにとってインターネットに触れない日はないだろう。スマホ、PC、その他あらゆるモノがネットにつながるIoT全盛の現代、その使い方が大きな差になって表れるのではないだろうか。

今回、年収1500万円以上を「高年収層」、年収500万円未満を「低年収層」と定義し、両者にネット活用について詳細なアンケート調査を実施した。

その結果に基づき、ライフネット生命保険の立ち上げに参画し、現在はベンチャー企業の創業・成長を支援しているインクルージョン・ジャパンの吉沢康弘氏に分析を依頼した。多くのエグゼクティブやカリスマ経営者、若手起業家を知る吉沢氏ならではの視点や経験則を含めて解説してもらった。

まずは自宅でのパソコンの使用状況から見ていこう。20~30代の若手低年収層では3割以上の人が、家ではパソコンを使わないという結果となった(図1)。

吉沢氏は「大企業やベンチャー企業で働く20代の人たちに、パソコンを持ち始めた時期を尋ねると、『学生時代、インターンを始めた頃』という答えが多く返ってくる」という。

就活前に、パソコンを使って自ら付加価値をつくるトレーニングを始める人がいれば、就職しても、スマホだけですむからパソコンはいらないという人もいる。両者の間には、稼ぐためのスタートラインからして、大きな差がついているようだ。