府警幹部、ジムで「こんなとこいてええんでっか」と叱られる

2018年8月12日に大阪府警富田林署から樋田淳也容疑者が逃走した事件。府警は小規模県警に匹敵する約3000人態勢で捜索し、発覚から1カ月半以上経過した18年9月29日に山口県警が同県内で身柄を押さえた。

最低限の落とし前を何とかつけた警察だが、府警のある幹部は「樋田容疑者がまだ見つかっていない休日にスポーツクラブへ行ったら『こんなとこいてええんでっか』としかられた。こんなに世間の風当たりが強いのは初めてやった」と振り返る。

「こんなに世間の風当たりが強いのは初めてや」(府警幹部)。(時事通信フォト=写真)

「多くの方々に多大な不安と心配をおかけし、深くおわびします」。府警の広田耕一本部長がそう謝罪したのは18年9月26日に開会した府議会でのこと。「議会が始まるまでにはせめて逮捕したかったが、だめやった」(同幹部)。

府警の対応は当初から後手に回っていた。強制性交や強盗致傷の罪で富田林署に拘留されていた樋田容疑者は、18年8月12日午後7時半ごろから始まった弁護士との接見後、面会室の隔離用のアクリル板を蹴破って逃走したとされる。

接見中だと思い込んでいた署員が逃走に気づいたのは午後9時43分。当初は直前に逃げたとみて、同署を含む府南部にのみ緊急配備が指示されたが、同日午後8時半には付近の防犯カメラに樋田容疑者とみられる男が自転車で北上する姿が映っていた。