ダイエットの定番になりつつある「糖質制限」。だが誤解も多い。ハタイクリニックの西脇俊二院長は「多くの人は本当に糖質を制限できていない。ヘルシーに見える野菜は、実は糖質たっぷりなので、野菜サラダはやめたほうがいい」と指摘する――。

※本稿は、西脇俊二『ハードワークでも疲れないカラダを作る! 糖質制限2.0』(KADOKAWA)を再編集したものです。

中途半端な糖質制限では、糖はどんどん身体に入る

やせたい、健康になりたいという方に、私は、「糖質制限2.0」という方法を勧めています。たった3日間でもいいので、1日に摂取する糖質を5グラム以下にし、身体に入る糖を遮断、リセットするという方法です。たとえば金曜から日曜まで断糖し、それ以外の4日間はできる範囲で糖質をおさえる。そうして理想体重に届いたら、あとは糖質制限をゆるめてプラスマイナス2キロをキープします。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/peredniankina)

こう書くと、「お腹が空きそう。とてもストイックなダイエット法なのではないか」と思われるのですが、大きな誤解です。一番に知ってほしいのは、「空腹をいくら我慢しても健康で見た目のいい身体は手に入らない」ということです。

ハンパな糖質制限をすると陥ってしまうのが「カロリー制限」です。わかりやすくいえば、「食べるのを我慢してカロリー不足になってしまう」状態です。ちまたでいわれる糖質制限も「糖質以外ならしっかり食べてOK」という立場をとってはいます。しかし、「米をやめる」「炭水化物の量を減らす」といった中途半端な糖質制限では、糖はどんどん身体に入ってきます。だからなかなか効果が出ず、ついついカロリー制限に踏み出してしまうのです。

「我慢するダイエット」は太りやすい身体を作る

カロリー制限は、空腹感との戦いです。お腹が空いて辛いときは、身体も飢餓状態になっています。飢餓状態になると、身体は筋肉を分解してエネルギーを賄います。すると当然、筋肉は減ります。基礎代謝の大半は、筋肉で行われます。筋肉が減れば、基礎代謝は下がります。

つまり、「ひたすら我慢するダイエットは、太りやすい身体を作る」のです。そこへ、空腹に耐えかねてあれこれ食べてしまえば、前より太ってしまうのは必至。それで焦ってまたダイエット、またリバウンド……と繰り返すごとに、太りやすい身体にますます拍車がかかります。