多くの企業で社員の英語力を測る基準として使われているTOEIC。短期間で点数をアップさせるには、自分の能力に応じた勉強方法を知ることが大切だ。5つのレベル別にポイントを解説しよう。第3回は「500点~」――。

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2018年4月16日号)の特集「英語の学び方」の記事を再編集したものです。

見た単語と聞く音には、相当なギャップがある

「500点から700点台は非常に伸びやすいスコア帯。正しい方法で勉強すればグングン伸びていきます」

America First!口の動かし方はトランプ大統領を参考。ネーティブは顎に頼るのではなく、唇周りの筋肉を使う。(時事通信フォト=写真)

と言うのは花田徹也氏。肝心なのは、リーディングの苦手意識にとらわれないことだという。どのスコア帯の人でも、リスニングよりリーディングの点数が低いことが多いのだから案じることはない。

「700点台になるまでリスニングとリーディングに充てる勉強時間の割合は、思い切って7:3ぐらいで構いません。リスニング対策として単語やフレーズを耳から学びつつ、その知識をリーディングにも反映すれば、自然と両方のスコアアップが期待できます」

リスニング強化で花田氏が強く推すのがリピーティングという手法だ。耳で聞いた英語を、そのまま繰り返すように声に出してみる。うまくできなければ、もう1度聞いて挑戦しよう。ここで注意したいのは、英語を聞く際にスクリプトや和訳を絶対に見ないこと。文字を見ると聞けた気になってしまうためだ。3回ほど聞いてもわからないところがあれば、そこで初めてスクリプトを確認する。

「音だけを頼りにリピートしようとすると、意外な弱点が浮き彫りになります。目で見れば簡単な単語なのに、自分が想定している音とネーティブの発音の間に相当なギャップがあることに気づくはず」

▼花田式「リピーティング」で英語耳をつくる
Play
TOEICのようにネーティブが自然なスピードで発話している音源を流す
Repeat
書かれているスペルや和訳を見ないで、とにかく音をマネしてみる
Rewind & Repeat
うまくできなければ音源を巻き戻して、もう1回挑戦してみる
Check
ここで初めて和訳を見て、聞き取りや解釈が困難だった部分を確認する
Rewind & Repeat
また巻き戻して文字は見ずにネーティブと同じリズムで音をマネする
ここまでやった音源であれば通勤時間のBGMとしても効果を発揮する!