これからビジネスマンはどう変わるべきか。「プレジデント」(2018年4月30日号)では、特集「いる社員、いらない社員」で、大企業のトップ29人に「人材論」を聞いた。今回は、H.I.S. 会長兼社長の澤田秀雄会長兼社長のインタビューをお届けしよう――。

澤田秀雄氏には2つの顔がある。エイチ・アイ・エスの前身であるインターナショナルツアーズを創業した起業家。開業以来18年間赤字だったハウステンボスを買収すれば、わずか半年で黒字化した再生請負人。ロボットが接客や掃除を担当する「変なホテル」を展開するなど、挑戦を続ける澤田氏は、人材活用をどう見ているのか。

会長兼社長が3~5カ月間、会社不在でも大丈夫な理由

──2018年3月から長期の海外出張に出るそうですね(取材は2月に実施)。トップがいない間、会社がぐらつかないか、不安はありませんか?

心配していません。期間は3~5カ月。まずはアジアからヨーロッパに行こうと考えていますが、おもしろいと思えば1つの都市に1週間いるかもしれないし、つまらなければ次の都市にすぐ移るかもしれない。行き当たりばったりです。

H.I.S. 会長兼社長 澤田秀雄氏

私がいないことで、かえって社員が育つと思いますよ。不在が1週間程度なら、社員は自分で決裁をせずに私の帰りを待つかもしれない。しかし、今回は少なくとも3カ月は戻ってきません。通信がつながらない環境にいる可能性もあります。私と連絡が取れなければ、社員は自分で決裁せざるをえない。決断は人を育てますから、帰国したときに会社がどうなっているのか楽しみです。任せた結果、会社がぐらつくこともありえます。前回、私が長期の海外出張をしたのは十数年前。じつはそのとき、私が個人で引き受けていた証券会社に問題が起きて、半数の人が辞めてしまいました。

でも、問題が起きたら立て直せばいい。実際、1度はガタガタになった証券会社も、テコ入れして2年後に上場を果たしました。今回の長期海外出張でも、私の不在中に何か起きる可能性はあります。しかし、問題が起きたら起きたでかまわない。むしろ問題が可視化されることで、より強い組織に生まれ変われるはずです。

そもそも私は失敗を気にしないんです。社員にも、何か挑戦したときの失敗は減点材料にしないと伝えています。いまわが社は旅行業だけでなく、ロボットホテルやロボットカフェ、電気事業、さらに格安スマホ事業まで、さまざまな事業を展開しています。これらの事業は社員が自らやりたいと言ってきたものが多い。社内に挑戦する文化があるから、みんなやる気に満ちているのです。