残業なしに成果を上げる。「働き方改革」の時代は、現場がますます多忙化する時代である。ここは思い切って「捨てる」「任せる」時間管理が必要だろう。達人のノウハウを紹介しよう。

「習慣を見直す」「部下に任せる」ことの重要性

残業をなくし、定時に帰る。しかし業務量はかつてと変わらないから、生産性を引き上げなければ現場は多忙に押しつぶされる。これが「働き方改革」時代の実情だ。各種の「時短」ノウハウを取り入れる企業が増えているが、個人レベルでもスケジュール管理の抜本的な見直しが必要だろう。各界の第一人者からエッセンスを学びたい。

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まず、湾岸戦争の英雄であり、黒人として初めて米軍制服組のトップに就いたコリン・パウエル元米軍統合参謀本部議長(元国務長官)が語るのは、「習慣を見直す」「部下に任せる」ことの重要性だ。そこから具体論に移って、専門家と実践家のノウハウを聞く。

新たな時代のスケジュール管理法を説いた著書『仕事を高速化する「時間割」の作り方』が好評な平野友朗氏は、管理をグーグルカレンダーに一元化することで「仕事は間違いなく高速化する」という。一連の仕組みを平野氏は「時間割」と呼ぶが、そのノウハウは手帳ベースでも十分に応用可能。また、グーグルカレンダーをフル活用し、自らの予定管理だけではなく部下たちに「任せる」経営スタイルを確立したのが、凄腕ヘッドハンターとして著名な井上和幸・経営者JP社長。井上氏のやり方で特徴的なのは「自分へのアポ」の取り方だ。

それでは、パウエル氏の述懐から「講義」を始めよう。