勉強の必要性を自覚していても、勉強を継続するのは難しい。独学となればなおさらだ。誰からも強制されず、誰にも見られていないと、つい怠けたくなってしまう。野口悠紀雄氏は「勉強を継続するためには、4つの条件を満たす必要がある」と指摘する。学校では教えてくれない、勉強をするうえで最も大切なノウハウとは――。
三日坊主の防ぎ方は学校では教えてくれない。(写真はイメージです。写真=iStock.com/Jevtic)

成果を残すために重要な「継続の方法論」

独学で勉強することが容易な時代になりました。ウェブや検索を利用すれば、20年前には想像もつかなかったほど効率的に独学を進めることができます。このチャンスをうまく活かすことができるかどうかで、その人の将来は大きく違うものになるでしょう。

独学で何より大切なのは、継続することです。1人で勉強していると、つい怠けたくなるものです。独学の最大の敵は三日坊主です。では、どうすれば勉強を継続できるのでしょうか? 継続できるための方法論は、勉強の非常に重要なノウハウです。ところが、そのことを学校では教えてくれません。不思議なことです。

勉強を継続するために必要なのは、つぎの4つです。

1.はっきりした目的を持つ
2.強いインセンティブを持つ
3.勉強の楽しさを活用する
4.時間を確保する

「勉強をしなければならないと思うのだが、長続きしない」と言う人は多くいますが、そうなるのは、これら4つの条件が満たされていないからです。「とにかく、勉強をしなければ置いていかれる」とあせるだけでは、勉強は続けられません。

1.はっきりした目的を持つ

三日坊主にならないためには、最初に、目的をはっきりさせ、強いインセンティブを持つ必要があります。

勉強する目的は何でしょうか? 単に知識を得たいとか、教養を深めたいというだけでは、抽象的であり、漠然としています。それによって勉強を開始することにはなっても、長期にわたって勉強の努力を牽引する力にはなり難いでしょう。仕事が忙しい中で、それだけの目的で勉強を続けるのは難しく、挫折してしまう危険が大きいのです。