盛り上がっているときに水を差す、出鼻をくじく、終わった話を蒸し返す……。社内外でしばしば出会う「面倒くさい人」たち。上手に扱わないと、やる気をそがれるだけでなく、仕事が止まってしまう。結局、しわ寄せが自分にやってくるという事態に。どうすれば、翻弄されずに仕事が進められるのだろう――。
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あなたのやる気を削いでいるのは誰?

どんなに前向きに、そして意欲的に進めていても、仕事に取り組む意欲を失うことがある。モチベーションダウンの原因を調べてみると、その大部分は人為的な要因で起きている。不可抗力の要因はあきらめるしかないが、人為的なモチベーションダウンはできるだけ避けたい。

仕事への意欲を失うときには、必ず予兆がある。人はどんなときに仕事への意欲をそがれるのか。また意欲を落とさず仕事に取り組むにはどうすればいいか。実際によくある事例から考えてみる。

取引先やわが社にいる「面倒な人」6タイプ

(1)会議で否定的な意見ばかり述べる人への対処法

解決策を見出すために会議で議論しているときに、出てきた具体的なアイデアに毎回否定的な意見しか述べず、弱点ばかり指摘する人がいる。「その企画は昔、取り組んだが、効果がなかった」「そのプランはウチの会社でなくてもできると思う」「その取り組みには、2つの弱点があるよ」などと、あら探しや弱点の指摘ばかりで、前向きな改善策につながることがない。

そのせいでその人が参加する会議では、プロジェクトメンバーが意欲を失ってしまう。本人は頭のよさをアピールしたいのかもしれないが、ただ創造的思考がまったくできない人間なのかもしれない。

経営者の逆鱗に触れるのが、このタイプの人だ。否定的な意見や指摘しかできない人には、「ご指摘はたしかに一理ありますね。ではこのプランに代わるアイデアをご提示いただけますか」「なるほど、鋭いご指摘ですね。それでは、ぜひこの企画を超える代替案を提案してください」と切り返せばいい。解決策を見出せないことを本人が自覚すれば、ネガティブな発言はできなくなる。

学生時代に暗記型の勉強や分析型思考だけで成績がよかった人ほど、創造的思考ができないことが多い。こういうタイプの人たちには、「できない理由を見つけ、仕事を停滞させる」のではなく、「できる方法を見つけて仕事を前に進める」ことが、給与をもらう条件なのだと自覚させるほかない。

(2)仕事を急がせておいて、すぐに返事をしない人への対処法

自分の都合を優先して相手に仕事を急がせ、要望に応えて急いで対応しても、無理をさせたことへの感謝の言葉すら伝えてこない――。こうした態度を取る人は、高圧的で権威主義的な要素を持つ可能性があり、仕事の納期で無理を言うだけでなく、発注する側の強い立場から価格交渉などで理不尽な要求をしてくることもある。

こうした担当者には、担当者の上司や部下にも情報を共有化し(メールならccやbccを使う)、状況を把握し理解してもらえるようにしておく。担当者に都合のいい状況説明を社内でさせないためだ。大企業から仕事を請け負う中小企業の場合には、万一の場合に備えて、公正取引委員会の下で運用・監督されている下請代金支払遅延等防止法(略して下請法)の内容も把握しておこう。

仕事を発注する権限を、自分の力と勘違いするタイプは誰からも好かれない。担当者が異動して発注権限を失えば、周囲にいる人たちの人心は一気に離れていく。そう考え、割り切って付き合えばいい。