過去最高益2.4兆円は円安の追い風

トヨタ自動車の2018年3月期決算は、純利益が2兆4939億円で、過去最高を更新。10年のリコール問題や東日本大震災などの苦境を乗り越え、V字回復基調にあるように思える。だが、豊田章男社長は決算発表にて、今後についての厳しい見通しを繰り返し強調した。

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私も見通しは決して明るくないと考える。今回の数字達成は、円安の追い風も非常に大きかったからだ。

トヨタの自動車販売台数はここ3~4年ほぼ横ばいで伸びていない。最も力を入れてきた米国では過去最高に近い台数を売り上げたが、米国金利が上がった影響で円安ドル高になり今後は販売台数が減る可能性が高い。新興国では苦戦が続いており、米国での減少分を他の市場で補うのは容易ではない。