「子供が勉強せず、ゲームに熱中してばかりで困っている」。中学受験専門塾代表の松本亘正氏は、受験生の親からそうした悩みを相談されることがよくあるという。だが松本氏は「遊び方によっては学力が上がるテレビゲームもある」という。いったいどんなゲームなのか――。
今春、発売された「ニンテンドーラボ」公式サイトより

「ニンテンドーラボ」が好きな子は中学受験で戦える

2020年に小学校でプログラミングが必修化されることを見越して、民間の「ロボット教室」や「プログラミング教室」が大人気だ。しかし、そうしたスクールに通わなくても初歩的なプログラミングに触れることはできる。

そのひとつは今春、発売された「ニンテンドーラボ」。家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」と、段ボール製の工作キットを組み合わせて遊ぶ新機軸のゲームツールだ。

切り込みが入った段ボールのシートからパーツをくりぬいて釣りざおやピアノ、ロボットなどを組み立てる。そこにゲーム機の本体やコントローラーを合体させる。

ニンテンドーラボの「バラエティキット」には、リールをまわして魚つりゲームができる「つり」や、鍵盤を押すと音が出る「ピアノ」など5種類の工作キットがある。また、同「ロボットキット」には、ロボットを組み立てるための工作キットが入っている。

▼細部へのこだわりがあり、物事を論理的に組み立てられる能力

これはただの遊び道具ではない。

段ボールの工作キットを指示に従い組み立てる。その工作物の動きと(ニンテンドースイッチの)画面上のリールやロボットとが連動。VR(仮想現実)体験ができる。自分で組み立てたものが画面上で動くので、「仕組み」を理解するきっかけにもなるだろう。

純粋なプラモデル作りが好きな子には「工作」面がやや物足りないかもしれないが、「ゲームはまだ早い」といわれるような幼い子供がいる家庭でも、「知育玩具」として使える可能性がある。

長年、中学受験生を指導していて思うのは、手先が器用な子は学力が高いということである。もちろん不器用な子の中に、とてつもない学力を持った子もいるが、細かい作業に慣れている子のほうが、細部へのこだわりがあり、物事を論理的に組み立てられる能力が高い。

そうした子は、算数や理科などの難解な問題であっても、粘り強く考え、正答を導き出すことができる。手先を動かし立体的なモノを作ることで脳が鍛えられ、また忍耐強く物事を仕上げる能力も備わるのではないかと考えている。