人は誰でも「他人から認められたい」と思うものです。また仕事ができる人ほど、強い自負があります。ところが50代に入ると、思うような仕事ができなくなるビジネスパーソンが少なくありません。すると「オレを認めろ」という話し方が増えます。それが「話し方の“加齢臭”」の正体です――。

※本稿は、福田健著『話し方の「加齢臭」』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

なぜ50代は邪魔者扱いを受けるのか

人は誰でも「自分を認めてほしい」「必要な存在として重視されたい」と思っています。とくに、仕事ができ、成果をあげてきた50代を中心に、その思いは強くなります。

ところが加齢により、これまでの実力の衰えを感じて、ふと不安を覚えます。そして、自分たちの世代は「尊重されていない」「大事に扱ってもらっていない」「大切にされていない」といった不満を抱くようになります。

福田健・話し方能力向上協会代表理事

そして、現状は尊重どころか、

「煙ったい存在、うるさい人」
「古い、頭がかたい、時代に遅れている」
「おやじ臭い、ダサい」

などなど、まるで邪魔もののような扱いを受けることがあります。

「オレを誰だと思ってるんだ!」
「ちがう、そうじゃない、間違っている」
「おまえに、何がわかるんだ」
「オレはまだまだ仕事が忙しいんだ」

こうした不満が心の中に渦巻くのは無理からぬこと。その不満の渦を上手に処理できないでいると、まわりに当たり散らしたり、「オレを誰だと思っているんだ!」などと言ってしまい、まわりに悪影響を及ぼし引かれてしまったり、自身も損してしまうことになるのです。

このような話し方が「オレを認めて臭」な話し方なのです。