インドの小学生は「19×19」までを暗記している

「日本お笑い数学協会(Japan Owarai Mathmatics Association:略称JOMA)」という組織の会長を私は務めている。ご存じない方が大半だと思うので、簡単にご紹介させていただきたい。

JOMAはお笑い芸人や塾・予備校講師ら6人の会員で組織し、多くの人に数学の面白さを伝えていくことを目的にして、2016年に設立された。私は現在、高校の数学教師(非常勤)とお笑い芸人の二足の草鞋を履いて活動している。私をはじめ会員らが数学の簡単な解き方をユーチューブにアップするなど、さまざまな活動を行っている。

写真=iStock.com/GlobalStock

さて、そうした私が今回ご紹介するのは「インド式棒算」という超簡単計算法だ。10年ほど前に「インド式計算法」が話題になったのをご記憶の読者も多いだろう。インド人は数字に強く、2ケタや3ケタの足し算やかけ算をすばやく暗算してしまう。

それは日本の「九九」のように、インドの小学生は「19×19」までの答えを暗記しているからだといわれる。それゆえ「18×16=?」なども、日本人なら筆算するところを、インド人は瞬時に「288」と答えられるのだという。

あらゆるかけ算が超簡単にできる方法

とても便利なのだが、いまさら「19×19」まで暗記するのは大変だろう。そこで今回紹介したいのが「インド式棒算」である。これを使えば「九九」さえ知らなくても、あらゆるかけ算が超簡単にできるのだ。

たとえば、「6×8」の場合、

(1)6本の平行線を引く、
(2)(1)の6本に交わるように8本の平行線を引く、
(3)その交点の数を数える。

これだけで、実際の交点は48個。つまり「6×8=48」となる。