心理学に基づく症例分析によれば先延ばしをする人のタイプは大きく6つにわかれ、かつ誰でも必ず当てはまるという。解決のための第一歩は自身のタイプを把握すること。対人心理学の専門家がタイプ別グズの裏心理と根本治療のための処方箋を解説する。

物事にはいい面と悪い面がありますが、マイナスのことばかりを想像して、身動きが取れなくなっているのが心配性タイプのグズ人間です。このタイプは大事なプレゼンを控えていても、「突っ込んだ質問をされたらどうしよう」「うまく説明できなかったら恥をかく」というように、自分が失敗するシーンを次々に頭に浮かべてしまいます。

失敗を過度に恐れるという点では、完璧主義タイプとよく似ています。ただ、完璧主義タイプは自尊心が強く自分の足りないところを徹底的に隠しますが、心配性タイプは逆に能力不足を周囲に積極的にアピールし、アドバイスやサポートを求めます。いわば依存心が強く、自分ではなにも解決しようとしない点がこのタイプの特徴です。

ビジネスにリスクはつきもので、決断がつねに最善の結果を導くとは限りません。もちろん本人も、それはよく理解しています。だからこそ、まわりにすべてを委ねて責任を回避したいという気持ちが湧いてきて、決断を避けるようになってしまう。自分だけは安全地帯にいたいという心理が強く働いているわけです。

しかし、ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変わるいまは、リスクを取るよりリスクを取らずに同じところに留まっているほうがリスクが高いという時代です。失点覚悟で前に進む勇気を持たなければ、心配性タイプのグズ人間はいずれ淘汰されることになるでしょう。