人の前では学歴社会を非難しても、わが子となれば話は別。親の学歴ごとに様変わりする子どもへの期待とホンネの実態が1000人調査で明らかになった。

「50社も受けたのに内定が出ません。僕は日本中の企業から『お祈り』されている身なのです」

親の学歴別「わが子を入れたい会社」/わが子に望む年収/わが子にはここまで出世してほしい
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苦笑いを浮かべながら、こう語るのは現役の早大生S君。「お祈り」とは、不採用が決定した場合に、企業側から決まり文句として送られてくる「今後、貴方の残された学生生活が有意義なものとなり、就職活動が成功することを心よりお祈り申し上げます」というお断りメールの文面を皮肉ったものである。S君のパソコンのメールボックスは各社から届けられた「お祈り」の言葉で一杯になっていた。

2010年夏。厳しい景気が続き、有名ブランド大学の学生も苦戦する就活状況の中で、愛するわが子の就職先を憂う親の気持ちがマクロミルの調査協力を得て明らかになった。

わが子の就職希望先1位は断トツでトヨタ自動車。他社を圧倒的に突き放す結果となった。トヨタにわが子を入れたい理由として「安定感がある」「世界企業だから」などの手堅い回答が並ぶ。やはり世界のトヨタのブランドイメージは強い。ランキング2位以下には、パナソニック、関西電力、ソニー、全日本空輸などの手堅い企業が続く。2位から5位までの企業を勧める理由としては「ゼロではないが倒産の危険がないから」という声が多い。また、「自分が好きな企業だから」などの理由も目立った。親の世代が望む就職先は、いずれも普段の生活に身近な企業であるとともに、日本経済を牽引してきたノスタルジーを感じさせるブランド企業が多い。回答結果から、これらの大手企業に対する信頼が依然として厚いことが確認された。