ホテルの中の一般客室から離れた場所にクラブフロアがある。上質の空間でいつでも飲食可能、小規模の会議も開ける特別な場所だ。日本でも外資系をはじめ各ホテルが競って、この機能の質と規模の拡充を図っている。ビジネスシーンで威力を発揮するクラブフロアの仕組みや活用法とは――。

飲食可能な“第三の居場所”

ホテルが持つ機能として、ビジネスシーンで(無論レジャーシーンでも)とくに重宝するのは“クラブ~”とか“エグゼクティブ~”と呼ばれている「特別客室階(層)」である。広い敷地に展開されているリゾートホテルでは別棟(別の建物)の場合もあるが、概ね建物の高層階の何フロアかが限定エリアになっており、いわば“ホテルinホテル”のような概念で運営されている。

客室の広さやインテリアは、ほぼ同じケースが多いが(広さやインテリアを変えるケースもある)、トイレタリー(=インルーム・アメニティ)を変更するなど、小さな調整が行われていることもある。

このシステム最大の特徴は、なんと言ってもラウンジであろう。この客室階の客専用のラウンジがあり、ラウンジでのチェックイン&アウト、コンシェルジュ的サービス、小会議室の使用、そして飲食物も提供される。その他、フィットネスの無料使用などの特典も付く。ラウンジは朝6時半から22時くらいまで開いていて、コーヒーなどの飲料が提供され、客はここを自由に使える。

時間帯別の典型的な飲食サービスは、次のようなものだ。

1:アフタヌーンティー
おおよそ14時半~16時半。クッキーや生ケーキ類、スコーンなど
2:カクテルアワー
おおよそ17時半~19時半。オードブルやワイン、ビールなどのアルコール飲料
3:朝食
おおよそ6時半~10時。ダイニングでの朝食に比して品数は少ないが、時に吟味された水準の朝食

ちなみにザ・リッツカールトンでは、上記3回のサービスに加えて下記がある。

1:ナイトキャップ
カクテルアワーの後。ハードリカー系アルコールと甘いもの
2:ライトスナック
一般には朝食後の昼時間帯。サンドウィッチなどの軽食

よって、1日5回の「ミール・プレゼンテーション」である。

ラウンジサービスを核とするこのシステムは、いうならば客船の「オール・インクルーシブ」(食事やアクティビティが料金に含まれている仕組み)に近い概念と言えなくもない。結果的にリーズナブルであり、打ち合わせなどの多いグループでの出張時には、とりわけ便利で割安となる。それは余暇使用でも同じで、何よりホテル内にロビーなどの空間や客室以外の“第3の居場所”を持てるのが贅沢で、ありがたい。