元凶は補助金漬けの日本のコメ価格の高さ

外食や弁当などの中食に使われる業務用米の卸値が上がっている。例えば、牛丼に使われる北海道産きらら397の1俵(60kg)あたりの取引価格は2017年10月で1万5774円と3年前より23%も上がった。外食チェーンで値上げの動きが広がり、コンビニは値上げをしない代わりにおにぎりを小さくするなど消費者にしわ寄せがきている。『米穀新聞』の熊野孝文記者は、背景にあるのは飼料用米の増産だと指摘する。

「18年度から減反が廃止されるのを前に農水省は飼料用米の増産を進めています。飼料用米は手間がかからない半面、食用米より買い取り価格が安いため、農家は生産を嫌っていたのですが、差額を埋める多額の補助金を支払うことで農家を誘導してきました。減反廃止後も米価を維持するためですが、飼料用米の生産に切り替える農家が急増した結果、業務用米の不足を招いてしまっています」

これによって消費者は二重の負担増を強いられているという。

「外食や中食の値上げに加え、そもそも農家に支払われる補助金は税金によって賄われるものです。日本人の米離れが指摘されて久しいですが、それは日本の米が高いから。補助金漬けによる高い米価の維持策を根本的に見直すべきです」(熊野氏)

(図版作成=大橋昭一)
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