デイトレードではすべての資産を失った

短期間で儲かるという触れ込みの、株の短期売買に惹かれる人は多い。日本でもシンガポールでもそれは同じだ。私自身、投資を始めたばかりのときは、短期売買のセミナーで株のイロハを学び、デイトレードに挑戦した。一時はそれで資産を増やせたものの、ITバブル崩壊で、その資産はすべて失っている。

写真=iStock.com/William_Potter

さて、2017年末、日本株市場は比較的好調に推移し、今後も明るい観測を持つ人が多い。だが、相場の確実な未来予測は不可能であり、暴落は突然起こる。短期売買で過度にリスクを負って運用していると、私のように暴落ですべてを失う可能性は高い。

そんな事態を回避するには、好調な相場の波に乗っているだけの投資スタイルを見直すことをおすすめしたい。

そこで注目したいのが「バリュー投資」。世界長者番付第2位の投資家として名高いウォーレン・バフェット氏が実践し、その有用性が世界的に認められている手法だ。

バリュー投資では割安株の成長を長期で待つ。優良な投資対象を探すのにほんの少しの手間はかかるが、買った後はある程度放っておいてもよく、毎日株に多くの時間を費やさずに済む。

バリュー投資の4つのポイント

肝心の探す基準は4点ある。

第1は「自分が事業内容を理解できる企業」を選ぶこと。何をやっているかわからない企業には一銭もつぎ込んではいけない。当たり前の話だが、意外にできていない人は多い。

第2に「業界内で突出した競争力を持つ企業」であること。過日、スポーツ用品メーカーのアンダーアーマーの大幅減収が話題になったが、これは同社が競合他社を出し抜くほどの競争力を発揮できなかった証左。消費者目線でも企業の競争力はある程度わかるので、必ず確認しよう。