接待の場所選びは、ビジネスパーソンとして腕の見せ所。ホテル研究家の石原隆司さんは「ホテルこそ、会食に最適」と断言する。まず、ホテルのレストランは内装がしっかりしていて、席と席の間隔が広い。個室を備えている店も多く、密談にはもってこいだ。ほかにもメリットが多数あるという。

車寄せがあって、社用車もつけられる

さまざまな目的での会食や接待といったダイニング・シーンは、ビジネスには不可欠なもの。知る人ぞ知る裏通りの、凝った会食場所も重宝するが、実はホテルこそ、そうした会食に向いている。

まず、高価なレンジのレストランを選べば、内装は豪華で、席の間隔が広いのがいい。個室が備わっている場合もあり、内々の話や相手が有名人でも問題ない。そして何より、接待にホテル側が慣れていて、粗相といったことは、ほぼないのが安心だ。

付帯機能も見逃せない。ホテルは街のランドマークであり、場所の説明が不要である。広いロビーで待ち合わせ、顔合わせができ、そこから雨に濡れることなくレストランに行ける。車寄せや駐車場もあり、ハイヤーや社有車の呼び出し、タクシーの取り回しも簡単だ。必要とあれば、正面でない(わかりにくい)出入口も利用できる。

一つ屋根の下にラウンジやバーもあるので、ラウンジで話をして、互いに気持ちを和ませてから会食に進むことも可能。食後にバーへ移動、といった行動も取れる。これほど使い勝手がよいにもかかわらず、ホテルのレストランは厳しい状況に置かれている。