開催のタイミングも目的によって異なる

開催のタイミングも目的によって異なる

会議の目的が定まれば、それに合わせておのずと運営方法は決まるはずです。まず気をつけたいのは、会議を開くタイミングです。会議の実施に適したタイミングは、収束系の会議と発散系の会議で異なります。

全社規模でのイベントを控え、役員会でその方向性が打ち出されるとしましょう。情報共有や内容の合意などを目的とした会議を開くなら、最適なタイミングは役員会の後です。役員会の前に現場の意見をまとめても、役員会の決定によってすべてひっくり返される恐れがあるからです。それよりも、役員会で打ち出される方針を待ってから行うほうが効率的です。

一方、役員会に情報をインプットするためのアイデア出しの会議なら、役員会の前に開催すべきです。方針が決定してしまってから発散系の企画会議を行い、「こんなアイデアもありました」と提案しても、決定を覆すことはできずに無駄骨に終わるだけです。

意思決定のプロセスだけでなく、情報を集めやすい時期や関係部署の繁忙期など、会議の成否に影響する要素は、ほかにも考えられます。それらを考慮したうえで、実施のタイミングを計る必要があります。

会議を開く時間帯にも要注意です。収束系の会議は何らかの結論を出すことが求められますが、結論に対して出席者全員から納得感を得ることが重要な場合は、時間を気にせず議論できる夕方からがいい。朝までかかったとしても、とことん話し合って、出席者に納得してもらうべきです。

一方、出席者全員が結論に納得していることよりも、スケジュール優先でひとまず先に進めたいなら、時間の制限がある日中がお勧めです。出席者も次の予定を気にして、自ら妥協点を探ってくれるでしょう。

時間の制限という意味では、1つのテーマにだらだらと時間をかける会議も感心しません。とくに収束系の会議の場合、時間のプレッシャーがないと、妥協点を探る意識が希薄になるだけでなく、話が脱線して会議が混乱する原因になります。

本来の目的に集中して中身の濃い会議を行うには、1テーマ30分が上限です。仮に大きな議題を話し合うため2時間の会議を設定するとしても、30分ごとに細かい議題を設定して進めたほうが効率的です。最初に1テーマ30分であることを告げてから会議に入れば、話を脱線させる人がいても、「時間もないのでこのへんでまとめに入りましょう」と、やんわり諌めることができます。

(構成=村上 敬)