サボり、陰口、逆ギレ……。扱いに困る職場の“問題児”を放置すると、大被害に発展することもある。そのなかには「地雷女」と呼ばれるようなタイプがいる。見分け方と対処法を、経験豊富な専門家に聞いた――。

ワガママ女の暴走を許すな

「地雷女」という言葉を聞いたことはあるだろうか。一見、無害なふりをして潜んでいながら、ひとたび接し方を間違えると爆発し、周囲の人間に大きなダメージを与える女性の通称である。今回は、その中でも特に、職場に埋まっている「地雷女」について、発見法と被害の防ぎ方を考えていきたい。

人材採用・育成のプロとして活躍するアチーブ人財育成社長の諌山敏明氏は、入社10年前後で28~32歳くらいのベテラン層に、地雷女が多発していると指摘する。

「特に入社以来同じ仕事をルーティンでこなしている人に顕著な傾向です。担当業務がブラックボックス化していて、手の抜き方も知っている。その結果、頑張らずにできる仕事しかこなさなくなります」

働く女性は、仕事の能力と意欲を軸に4タイプに分類でき、それぞれに対しての適切なマネジメント方法がある(図参照)。

「仕事の能力はあるのに、意欲がない状態のベテランタイプに、地雷女が多く存在します。上司は、正し、諭していかなくてはなりません」(諌山氏)

地雷女が仕事の手を抜いてしまう根本的な理由は「ラクしたい、責任から逃れたい」という気持ちがあるから。そのため「できません」「ムリです」などのネガティブな言葉が口癖になっているのが特徴だ。

「心理学で、セルフハンディキャッピングという言葉があります。『できない』などと自ら限界を決めてしまうネガティブな発言がこれにあたります。ベテランが厄介なのは、過去の事例を挙げて『こういう理由だからできない』『こういうことがあったので、したくない』と、自分以外の何かのせいにして主張してくる点です。また、女性は洞察能力が高いため、主張が通りそうな相手を選んで『できません』『やりたくありません』と拒否してくる場合もあります」(同)

地雷女にこのような態度を取られれば、上司はフットワークの軽い他の社員に仕事をまわすことになる。仕事の逃れ方を覚えた地雷女は、ずっと面倒な業務から逃げ続ける。こうした地雷女の職務怠慢が会社の損害にもなりかねず、場合によっては管理者が責任を問われることとなる。

地雷女が与える被害例はほかにもある。たとえば、服務規程を無視して、異性を挑発する過激な服装、職場にはふさわしくないファッションをする女性社員がいたとしよう。上司はそうした服装を注意すべきだが、その注意をセクハラと受け取られることを恐れ、黙認してしまう場合がほとんどではないだろうか。これを、地雷女は「注意されないからOK」と都合よく解釈してくるのだ。

「揚げ句の果てには、上司をなめて、傍若無人化する。これが、地雷女を生むメカニズムです」(同)