「教えていいかどうかずっと悩んで、やっと決めた20作品」。これらは全部、俺自身みたいなものだよ。ここにあげた映画を観て、あなたの感性にエネルギーを注入しよう。

僕が考える20世紀の三大発明は、自動車、航空機、そして映画。3つとも動くものという共通点があるけど、映画は観客が移動しない代わりに、その人の心や人生を動かしてくれる。英語で映画を「movie」と言うでしょう。

「move」は「動く」であり、「I was moved」(私は動かされた)が「感動した」。つまり映画というのは心を動かすものなんだ。

昔、心動かされて泣いた映画を、人生を振り返りながら観るのは価値ある行為ですよ。だって人間は成長する段階によって、泣ける対象が変わってくるから。もし昔泣けなかった映画で泣いたら、「なんで若い頃、俺はこの映画で感動しなかったんだ」とかつての未熟さを責めればいい。

逆に泣けなくなったら、自分がどういう人生を歩んだのか考えてみる。もしかして感受性が退化したのかもしれないし、このくらいじゃもう泣けないほど、いろんな経験をクリアしてきたかもしれない。そういう意味で、映画で泣くことは、人生のリトマス試験紙みたいなものですよ。