年収550万円という45歳の会社員男性。妻は専業主婦で、子供2人は小学生。マイホーム資金をつくろうと、マネー誌の「推し銘柄」を購入したが、あっという間に70万円を失った。現在の貯蓄額はわずか60万円。しかも毎月の家計は赤字という。損を取り戻すにはどうすればいいのか。FPの横山光昭氏がアドバイスする。

●家族構成(4人家族)
会社員のNさん(45)/専業主婦の妻(42)/小学校5年生の長男/小学校3年生の次男
●手取り収入(月) 36万7000円(夫)、0円(妻)
●手取りボーナス 50万円(夏)、50万円(冬)
●貯蓄 60万円

45歳投資ビギナー マネー情報誌を鵜呑みして大損の巻

「株で損失を出してしまいました。増やすためにやっていたのに、これから資産額を戻せるか、とにかく心配で。どうすればいいでしょうか」

会社員のNさん(45)は4年前、会社の同僚や上司から「老後のために投資をやったほうがいい」と促されて始めたそうです。「個別株や投資信託のアクティブファンド推し」というマネー情報誌の記事を鵜呑みにして投資を始めたのですが、よくわからないうちに評価額がどんどん下がって含み損を抱えてしまったため、不安になってすべて売ってしまいました。結果、70万円ほど損をしてしまったのです。

家族は専業主婦の妻(42)、長男(小学5年生)、次男(小学3年生)の3人。これから教育費もかかるし、自分たちの老後資金も必要で、可能ならばマイホームの頭金も作りたい。少しでも損したお金を取り戻したい、と奥さんに内緒で相談にきました。

▼月収37万 損を取り戻し、老後資金・教育費を貯められるか

Nさんの家計は、手取り月収約37万円のNさん自身が中心に管理しています。

妻は給料の一部をもらってやりくりする以外、家庭内のお金についてはよく把握していません。資産や投資について「よくわからないから、お金を増やしてくれるようにやってくれるならいいよ」と言っており、すべて夫任せ。今回の件もあまり危機感がないようです。

家計簿を見ると、収入に対して支出は投資に充てるための積立金を含めて使い切りの状態(毎月数千円の赤字)。現在持っている預貯金は60万円。手取り月収のほかに、夏・冬にボーナスが各約50万円(手取り)出ているのですが、毎月の投資用の積み立ての補填や、買い物、家族旅行などでほとんど残らないといいます。