「ママ友」の関係に悩む母親が増えている。そんな悩みに対し、教育カウンセラーの鳥居りんこさんは「無理に仲良くする必要はない。子どもと大人の世界は別物」と断言する。むしろママ友から得た「他の子の情報」が、わが子を追い詰めてしまうこともあるという。どう付き合えば、わが子にとってプラスになるのか。そのコツを解説してもらった。

ママ友との付き合い方を間違えると子どもはやる気を失う

この15年ほど、毎日、子育ての悩み相談を受けているが、最近になって「ママ友」に関する悩みが急激に増えていると感じる。いわゆる「公園デビュー」に代表される母親同士の交友関係についての悩みだ。

「ママ友」との関係に悩む親に、私は「ママ友、恐れるに足らず!」として、5点の「処方箋」をお渡ししている。これが基本的なスタンスだと思うので、ぜひ参考にしてほしい。

1:ママ友はいなくてもノープロブレム

親(特に母親)は、なぜかわが子には「友だちを多く作ってほしい」=「誰とでも仲良くなってほしい」と考える傾向があるが、そもそもこの「友だち100人理論」がおかしいのだ。

友だちは数を誇るものではないし、また無理矢理に「作る」ものではない。自然発生的に「気が付いたら友だち」になっているのだ。これは何も子どもたちだけの話ではない。大人になっても同じだ。

自然体で暮らす中で「気が付いたら友だちがいない」のならば、それでいい。そのことをデメリットに感じる必要は全くないのだ。

むしろ、わが子が「友だちいないんだよね」という悩みを持った時に(注:中学生の悩みごとのほぼすべては「友だち」だ)、「ママと同じね。遺伝かしら。でも、大丈夫。特に困ることはないから!」と明るく断言できたほうが子どもは変な重圧を感じずに済み、かえって伸び伸び育つはずだ。

友だちはいてもいいけど、いなくてもノープロブレムだと私は思う。

2:子どもの世界と大人の世界は別物

女子の学生時代には必ずと言っていいほどに「金魚の糞 トイレバージョン」がある。友だち同士で誘い合わせてトイレに行く、あれだ。

この年代にはありがちな必要悪だと私は解釈しているが、私たちはもう大人である。

まず、「金魚の糞」のように一緒にトイレに行くという思考を断ち切る勇気を持とう。「3000円のランチ」が負担ならば、行く必要はないのだ。さわやかに「不参加! よろしく!」と言えばいい。

気持ちが重いのに、無理して参加する必要はない。子どもが大好きな母の笑顔が減るほうが深刻である。 あなたが、そのコミュニティに参加しようがしまいが、子どもへの影響は皆無である。子どもの世界と大人の世界は基本的には別物だということを認識しよう。