毎日の睡眠不足が積み重なると「睡眠負債」となり、命のリスクにつながる。「睡眠負債」を返済するためには、日常的にどうすればいいのか? フジテレビ解説委員の鈴木款氏が、専門家に聞いた――。(前編はこちら http://president.jp/articles/-/22632 )

※当記事はホウドウキョクの提供記事です。

酒は寝つきをよくするが、睡眠の質を悪くする

3 Lines Summary
・ベッドに入って3秒で眠れるのは自慢にならない
・「寝酒」「ベッドで読書やスマホ」はよくない
・ANAなど企業も睡眠研修に取り組んでいる

毎日の睡眠不足が積み重なると「睡眠負債」となり、命のリスクにつながることが様々な研究から明らかになってきた。「睡眠負債」を返済するためには、日常的にどうすればいいのか?

企業向け睡眠改善プログラムを提供している「ニューロスペース」の小林孝徳社長、そして筑波大学で睡眠医科学の研究に携わってきた佐藤牧人氏(現在「ニューロスペース」取締役)に話を伺った。

――質の良い眠りを得るために、就寝時に何をやったらいいのかお伺いします。まず、「寝つきがいい」のはいいことですか?

【小林】ベッドに入って意識を失うように3秒で寝てしまうというのは自慢になりません。5分程度ならいいのですが。なぜなら、意識を失うように寝るのは、慢性的に睡眠不足か、お酒をたくさん飲んでいるからです。お酒は寝つきをよくしますが、睡眠の質を悪くします。

ニューロスペースの小林社長(左)と佐藤取締役(右)

――「寝酒」もダメなのですか?

【小林】よくないです。お酒は脳に作用して、一時的に寝入りはよくなりますが、交感神経が興奮して睡眠が浅くなります。また、お酒は利尿作用があるので、睡眠の途中で覚醒してしまい、睡眠を分断します。

――うつぶせと仰向けどっちがいいのでしょう?

【小林】特にこだわりませんが、日本人は仰向けが圧倒的多いと言われています。いびきをする人は、横向きが呼吸しやすいのでいびきの解消になります。こうした人は、寝入りは横向きが寝付きやすくていいでしょう。