「楽天的な妻の浪費癖が大問題」小塚さん(50代)の家計をチェック
[年収:1400万円]

家族構成●夫(51歳・会社役員)、妻(51歳・フリーライター)、長男(19歳)、次男(16歳)
年収●額面=夫:1300万円、妻:100万円(うちボーナス=夫:夏130万円/冬130万円)
貯金額●700万円(うち600万円は株式)

会社役員の夫は年収1300万円。妻もライターの仕事で年100万円ほどの収入がある。ところが蓄えの700万円のうち600万円は価格下落によって塩漬け状態となっている個別銘柄株。いざというときに使えるのは100万円しかない。

しかも51歳の夫は、55歳で役職定年を迎えることが決まっており、それ以降は収入が大きく減る。現在、大学1年と高校2年の子供たちの学費がかかることを考えると、老後資金はゼロに等しい。

まず見直してもらうべきは、妻の浪費癖だった。高収入家庭にありがちな「必ずまとまったお金が入ってくる」という安心感から、後先考えずにお金を使っていたのだ。それを助長していたのは、クレジットカードなど現金以外の決済手段。お金を使っている意識を薄めさせていたわけだ。

頻繁に外食し、日用品から子供の洋服まで好き放題に買いまくり。スマホで楽しむマンガ、小説、ゲームはいくらかかっているのかわからない。通販サイトでワンクリックの買い物も楽しむ。しかもボーナスは大学生の長男の学費、家電の買い替え、固定資産税、自動車保険などで消えていた。

これを改めるには、現金主義に変更してもらうほかない。1週間分の食費、生活日用品費など必要となるお金だけを財布に入れ、それ以上のお金は使わないという方法だ。さらに、ボーナスにもできるだけ頼らず、月収の中でやり繰りできるよう組み立て直した。

小塚さんの高い収入を考えれば、本来なら固定費も流動費もそれぞれ理想割合の「45%」「35%」よりずっと低くてもおかしくない。毎月の支出は大きく改善したものの、あと十数万円は削れるポイントがありそうだ。

家計再生コンサルタント 横山光昭

マイエフピー代表取締役社長。「消費」「浪費」「投資」で仕分ける家計管理の考え方が大反響を呼び、庶民派ファイナンシャルプランナーとして、1万件以上の赤字家計を再生。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズ、『「貧乏老後」に泣く人、「安心老後」で笑う人』などベストセラー多数。
(構成=小澤啓司 撮影=小原孝博)
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