旧民主党の時代も含めて、総選挙では12年、14年と2連敗で4年半、党勢は低迷したままの民進党。どう民進党を立て直していくのか、蓮舫・民進党代表を直撃した。

求められる地道に信頼を取り戻す努力

【塩田潮】2012年12月の総選挙で大敗した後、旧民主党、民進党を通じて4年半、党勢は低迷したままです。昨年9月に党代表となって、民進党の現状をどう見ていますか。

【蓮舫(民主党代表)】民進党に対する信頼が十分に回復できない中、それでも「1強」政治は駄目なんだという思いを持って、専門性を有する仲間が権力と真摯に向き合っている状況です。候補予定者は常に解散に備えて活動していますが、解散が先送りされ続けているため、結果として体力が削がれているのは事実です。いずれにせよ、とにかく選挙で勝ちたいと思っています。

蓮舫(民主党代表)

【塩田】党代表として幹事長人事で野田佳彦元首相を起用しました。

【蓮舫】私が参議院議員ですから、幹事長は衆議院議員にと思っていました。その上で、与党にある程度、パイプを持ち、官僚にもホットラインがあって、信頼を得ている人をと考え、お願いしました。国会運営を始め、 100%信頼しています。今、民進党に求められているのは地道に信頼を取り戻す努力だと思っています。この路線は支持率の急上昇につながらないのは承知していますが、一つ一つ埋め合わせていかなければいけない。野田幹事長は華やかに目立つ行動を取る方ではありません。私も抑えています。

【塩田】野田幹事長は首相在任中、12年に解散・総選挙を行って民主党大敗という結果を招き、「野党転落のA級戦犯」といわれました。

【蓮舫】評価には功と罪がありますが、私は功の部分に着眼しています。自民党政権が成し得なかった消費税増税を3党合意で決めました。党内で離反もあり、大きく揺れましたが、他方、多くの良識ある国民から評価されました。私はその部分はプラスにしていきたい。今、前原誠司元代表が会長を務める「尊厳ある生活保障総合調査会」(前原調査会)で、税の負担と行政サービスのあり方の見直しに関する総合的な政策をつくっています。3党合意のときに内閣にいた私たちだから提示できる国のあり方があると思っています。

【塩田】野田幹事長との交流はいつから、どういうきっかけで。

【蓮舫】私は04年に初当選しましたが、政治家になってからです。いろいろなグループと接点を持ちましたが、もっとも骨太な方というのが私の最初の感想です。

【塩田】2回目の安倍晋三内閣がまもなく4年半となります。

【蓮舫】強い政権ですね。第1次安倍内閣のとき、私は「消えた年金」問題で相当、向き合いましたが、あのときと比べると、辞任してよみがえり、今回は力強い意志があると思います。学習し、隙がない形で自分の政治を目指しています。憲法改正は、方向性が間違っていると思いますが、経済を牽引する姿勢には強いものを感じます。

「女性の活躍」と言って女性大臣を大量に起用してきましたが、2014年10月、松島みどり法相は公職選挙法違反の疑いで、小渕優子経産相は政治資金の問題で辞任しました。あのとき、文科相も政治と金の問題が出ていましたが、「お友だち」は守り、女性2人をばっさり切った。事実上、罷免です。その瞬間、強い意志の持ち主だけど、それは国民のためでなく、自分のためでしかないと見ました。要所要所でそうした自我の強さも出ています。