毎日着るスーツや学生服。洗いたくても、頻繁にクリーニングは出せない……そんな悩みを解決する家電が、日本に上陸した。「つるすだけ」でスーツや学生服がきれいになり、花粉やダニも除去してくれるという、家庭用クリーニング機だ。
家庭用クリーニング機「LG styler」。左は服を掛けたところ、右はズボンの折り目ケア機能を使用しているところ。
■LG stylerの気になるポイント
・価格は22万8000円(税別)
・スーツや学生服を毎日洗える
・革製品やシルクなども自宅で洗える
・クリーニング代を節約できる
・特殊な洗濯コースをスマホで追加ダウンロード可能
・初代は韓国など世界9カ国で販売。日本で発売したのは二代目LG styler

「つるすだけ」の家庭用クリーニング機、日本上陸

多くのビジネスマンが毎日着るスーツ、子供が学校に着て行く制服。もしこれらが毎日洗濯機で洗えて、翌朝にはしわも臭いもなくきれいな状態で着られたら、どんなに気持ちがいいことだろう……そんな願いを実現してくれる商品が登場した。LGエレクトロニクスの「LG styler」(エルジースタイラー)だ。

LG stylerは、衣類を庫内の専用ハンガーなどにかけるだけでケアできる、世界初のクローゼット型のホームクリーニング機である。衣類についてしまったしわやニオイはもちろん、シーツや枕などに潜んでいるダニ、コートなどに付着する花粉も、掛けておくだけですっきりと取り去りリフレッシュできるというから画期的だ。

通常の洗濯機で丸洗いができないスーツや学生服など、毎日着用する普段着を消臭し、ゴミを除去する「リフレッシュコース」、スチームを使って除菌する「除菌プラスコース」、革やシルクなど、おしゃれ着のダメージを最小限に抑えた乾燥ができる「上質乾燥コース」、パンツのしわの除去や折り目加工ができる「しわの除去&折り目ケア」という4つのコースを揃える。扉のLEDタッチパネルを使って操作し、使用時間などの動作状況もここに表示されるほか、Androidスマートフォン経由で専用コースをダウンロードすることもできる。

今回日本に上陸したLG stylerは、実は2代目。初代LG stylerは韓国国内で2011年から販売され、その後、世界9カ国に展開された。2代目LG stylerは2015年に韓国で発売され、各国で販売スタート。2017年に日本上陸、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が運営する蔦屋家電で、1月からBtoB、BtoC向けに販売を始めた。

一番右が2011年に発売した初代LG styler、中央が2015年に発売した二代目。左はプロトタイプ。

BtoB向けの販売先は、ホテル、飲食店、オフィスなど。一般家庭向けのBtoC販売では、店頭税別価格は22万8000円となる。ちなみに当初、LGエレクトロニクス側は日本での販売を考えていなかったが、「CES」や「IFA」など海外の家電見本市でLG stylerを見たCCC側が取り扱いたいと掛け合って、今回の販売開始に結びついたという。

筆者が初めてこの製品を見たのは、ドイツで毎年開催される世界最大の家電見本市「IFA 2012」だった。展示されていた初代モデルの姿を見て、「縦型の冷蔵庫かな?」と思ったのを覚えている。それがクローゼット型の洗濯機だと説明を聞いて「スーツや制服などを家で毎日洗えるなら、クリーニング代が大幅に減らせる。日本の住宅事情に合わせてもっと小さくなったら、日本でもきっとヒットする!」とワクワクした。

それから5年。LG stylerは本当にダウンサイジングし、ついに日本に上陸した。日本にはこれまで存在しなかった新ジャンルの製品というだけでなく、流行りのIoT家電として専用コースをスマホでダウンロード可能というニューカマー感。実に面白い。