フランス大統領選挙に勝利した、エマニュエル・マクロン氏(39歳)が国内で大人気だ。穏健派で知的な政治家である彼の妻は、25歳年上で64歳の超熟女。しかも中学時代の恩師だというのである……。
スペイン国王夫妻訪仏時のエマニュエル・マクロン前経済相とブリジット夫人(写真=ロイター/アフロ)

中学時代の恩師(25歳年上)と結婚するってアリですか

フランス大統領選挙第1回投票が終了し、決選投票はいよいよ極右政党・国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首と中道派独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相の一騎打ちとなることが決まった。決選投票は5月7日に行われる予定なので、このコラムをごらんいただく頃にはそろそろ結果が出ていることだろう。

一昨年以来、英国のEU離脱や米国トランプ大統領の当選など、予想外の結果に大きなダメージを受けた世界のマスコミや市場は、財政の健全化など、よりグローバルな金融市場の期待に応える傾向の「良識ある」マクロンの勝利を祈るかのように予言しており、フランス国内でもマクロンへの期待は熱い。「もはや事実上マクロン大統領の誕生だ」と言い放つ左派フランス人も少なくない。

そんな盤石の支持がある上、イケメンで穏健で賢くてフランス国内では大人気のマクロンだが、国外からは「なんかおかしくないか……?」と含み笑いの声が上がっている。いわゆる「未来のファーストレディ」たるマクロン夫人とのツーショットを見たときに、二人の関係性がとっさに分かりづらく、拭いがたい違和感を醸し出しているのだ。一体、その違和感はどこからくるのか? 現在39歳の若さみなぎる政治家マクロン。その夫人・ブリジットは、彼より25歳年上の64歳、しかもなんとマクロンの中学校の恩師なのである……。

これを論じずにいられようか

私が昨年上梓した『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)では、まえがきの直後から「アラフォーの私たちは吉田羊の夢を見るか?」と題し、アラフォーの星である女優・吉田羊がなぜ「自分の息子ほど若いアイドル」に行くのか、と40代女性と20代男性の「魔の刻」恋愛について論じているくらいだ(http://president.jp/articles/-/19801)。マクロン夫妻のこれを見過ごせましょうか。ねえ、みなさん。

息子と母親ほどの年齢差の恋愛は成立するのか(←少なくともマクロン夫妻には成立している)、それはいったいどういう感情なのか(←少なくともマクロン夫妻はラブラブだ)、そしてそれは「マニアック」なのか、それとも「ロマンチック」なのか? 余計なお世話と自覚した上で、これが今回の脳内エア会議の議題でございます。

トランプとメラニア夫人だって24歳差だけど……

フランスの外、例えばアメリカではメディアやネットユーザーが「え……マクロン本気(マジ)なの?」とザワザワしつつ、でも翻ってトランプと夫人も24歳差だと自分たちで指摘しあい、「うーん、そうか……」と自分たちを懸命に納得させようとしているのが微笑ましい。

性別が逆転して男性の方が年上、女性が超絶若いというケースなら、25歳差婚もそれほど珍しくはない。「ははっ、若いのが好きか〜。まあ大金持ちだし3人目の妻だし、仕方ないな〜。好きにすれば」と笑われて、もしかしたらうらやましがられて終わりである。

だがマクロンに関しては、本国フランスを除けば「あいつ……変わってるよなぁ」という扱いだ。面と向かって指摘することも笑うこともなんとなくはばかられ、わりと「マニア」だと思われている。この違いは何なのか。