メモ活用の有無が収入を真っ二つに

今回は「手書き」の手帳の用途について調べた。わざわざ手書きをするのに「スケジュール管理機能」のみを求める人は少ない。それ以外の用途を見ていくと、特に年収2000万円の人は、「長いスパンでの目標管理」や「メモ・備忘録」としての使用が多いようだ。

「お取引先のキーマンの名前や注目企業の名前、読みたい書籍のタイトルなどをメモしている。商談中にスマホを操作すると話に集中していないように見えてしまうため、手書きの手帳を使っている」(丸三屋代表取締役社長・湯浅泰敏氏)

「業務に関わるであろう政治経済、金融などの新たな用語やトピックスは手帳にメモして脳に定着させる」(アントワークス取締役・早川淳氏)

いっぽう、年収200万円の人たちは「手帳=スケジュール管理のためのもの」という思い込みが強いようだ。そのため、さまざまなシーンで「惜しい」ことをしている。

「いつもペンを持っていないので、結局何も書き込めなかったりする」(医療介護福祉士)

「手帳でお金の管理をしようとしているが、いつも数日で挫折してしまう」(建築業)

「大きなニュースは友達から教えてもらうから、手帳にわざわざメモしたりはしない」(美容師)

[調査概要]年収200万円のビジネスマンと年収2000万円のビジネスマン(もしくは、役員級以上)1000人を対象に、アイランド・ブレイン、ベクトル、ベンチャー広報、リアライズ、リサーチプラスが調査。2015年10月22日~11月2日。

住友林業会長の矢野龍氏は、メモとしての手帳の機能を有効活用している人物の一人だ(2009年11月2日号 当時・社長)。

「私にとって社員手帳のもう一つの役割は、メモ帳としての機能です。あらゆることを手書きで書き込みます。

たとえば、2009年6月4日に『長期優良住宅の普及の促進に関する法律』が施行されましたが、同日付の右ページのメモスペースには、その認定基準など法律の内容を書きとめます。巻末のフリーメモページには、日本の総世帯数、空き室率、住宅各社の平均坪単価や平均建坪数、ゴルフのプロから聞いた経営にも役立ちそうな話……等々、その時々に入手したデータや大切な情報、感心した言葉などを書き込んでいます。

手書きすることで頭に入りますし、それが経営の判断にも結びつくことがあります。また、それらのメモは、日本木造住宅産業協会の会長など業界の要職にある者としてスピーチを求められた際にも役立ちます。毎年、メモ欄が足りなくなるほど、様々なことを記入しています。

森林の育成と同じで、何事も時間をかけた積み重ねが大切。地道ですが手書きメモを続けていることが、経営上の発想や判断にも繋がっていると思います」

住友林業会長 矢野 龍

1963年住友林業入社。アメリカに2度、合計10年間の駐在経験を持つ。88年取締役、92年常務、95年専務、99年社長、2002年執行役員社長。10年より現職。
 
(大高志帆=構成 佐粧俊之=撮影)
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