コツコツ働いて、しっかりためる――。これは日本人の美徳の一つだ。

住宅購入予定などライフステージに応じて賢く選択しよう<br><strong>小宮コンサルタンツ 小宮一慶</strong>●経営コンサルタントとして活躍。著書に『お金を知る技術 殖やす技術』など。
住宅購入予定などライフステージに応じて賢く選択しよう
小宮コンサルタンツ 小宮一慶●経営コンサルタントとして活躍。著書に『お金を知る技術 殖やす技術』など。

日本人は農耕民族型といわれ、常日頃から真面目に働き、天候不順など将来のリスクに備えて余った財貨はしっかり蓄えてきた。そんな気質は現代の日本人にも引き継がれ、個人金融資産の5割強を預貯金が占めているのもその気質が影響している。

ところが、このことを捉えて「日本人は金融リテラシー(知識・活用する能力)が乏しい」とことさら強調し、「貯蓄から投資へ」と声高に叫ぶ風潮も一部に見受けられる。しかし、それに惑わされてはいけない。同じ手持ちのお金でも「守るお金」と「攻めるお金」に分かれる。その選別基準は、いま自分が置かれているライフステージや、個々人の価値観なのである。

具体的にいうなら、現在の所得と保有資産、そして将来見込むことのできる収入を勘案したうえで、一定水準の生活を維持するために必要となってくるものが守るお金である。そして、その守るべきお金を差し引いて余った分が、より豊かに暮らす可能性を追求するために運用できる攻めるお金となる。

いま、まず考えるべきは虎の子ともいうべき守るお金をどうするか。少しでも増やすことを考えたら、預金の形で持っておくのがベストだ。もし預金先で迷っているのなら、その人は自分の金融リテラシーが高いと自信を持ってほしい。

なぜなら、2009年前半には、高い確率でデフレ局面に入ると見ているからだ。すでに、原油や鉄などの市況はピーク時から大きく落ち込み、いずれ消費者物価にも影響してくる。物価の下落は、お金の価値の上昇を意味する。ここはおサイフ替わりに預金を活用しよう。預金の表面金利は変わらなくても、物価が下がった分、実質金利はアップする。