ビジネスマンにとって人脈が貴重な財産であり、情報源であることは論をまたない。しかし、社会に出てからの人脈は、仕事関係以外には広がりづらい。そこで、ヒントになるのが、「ハーバード・ビジネス・スクール」(HBS)の学生たちの人脈づくりだ。

グローバルビジネスの領域ではHBSの人脈が“超一流”といわれる。「彼らは、在学中にコネクションをつくることにも長けていました」と、HBS出身の経営コンサルタント、戸塚隆将さんは振り返る。戸塚さんは勤めていたゴールドマン・サックスを退職してHBSに留学した。

「当時のゴールドマン・サックスの幹部はHBS修了者が多く、自分も世界トップレベルのフィールドで学びたかった。人脈づくりを強く意識するようになったのは、HBSに入学してからでした」

HBSは厳しいカリキュラムで知られているが、一方では俗に「パーティースクール」とも呼ばれるほど、イベントやサークルといった課外活動が盛んだ。学生はそれだけ、同窓生との時間の共有を重視しているということなのだ。戸塚さんも複数のサークルに所属し、欧州や中南米の友人が増えたという。

「HBSの学生の多くは社会人経験があるので、人脈の価値をよく知っていました。ただし、利害関係が先に立ってしまうと、友人関係に発展しにくい。そのバランスを取るのが難しいのです。その点、学校なら仕事と離れているので、友人をつくりやすい。特に課外活動は、プライベートでの交流を深める、よい機会と捉えていました」

アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、「先を見越して点をつなぐことはできない」といっている。つまり、人間関係も将来、どんなプラスをもたらすかわからないので、日頃からの人脈づくりを大切にしろということだ。