2009年1月5日より、上場株式の株主権を電子管理に統一する、いわゆる「株券電子化」がスタートする。

この日を境に、紙の株券は無効となるが、日ごろ証券会社を通じて株取引をしている投資家にはあまり関係ない。現在、証券会社を通じて売買している株式なら「証券保管振替機構(ほふり)」に預託されており、電子化対応が済んでいる場合が多いからだ。

問題なのは、自宅や貸金庫などで管理している株券、いわゆる「タンス株」を放置しているケース。親からの相続などで気づかず保有している人も多く、「年末の大掃除でタンス株を発見した!」ということも起こりうるだろう。

じつはタンス株の証券保管振替機構への預託手続きは、多くの場合、08年12月中旬に締め切られている。では、期日に間に合わなかった場合は、どうすればいいのか。ケース別に解説しよう。

まず株券を発見した際、確認すべきは名義。株券の裏面に掲載されており、登録順に「登録年月日」「株主名」「登録証印」欄がある。最終の記載欄が自分名義かどうかをチェックする。あるいは株主総会招集通知や配当に関するお知らせが継続して手元に届いていれば、自分名義の株券と判断できる。

自分名義であることがわかったら、ひとまず株主権利は保証されている。この場合、名義は自動的に株券の発行会社が設定する「特別口座」で管理され、配当金や株主総会への招集通知は、従来どおり受け取ることができる。

だが、これを売却する際は、証券会社に取引口座を開き、株式の残高について振り替え作業を行わなければならない。この振り替え手続きは、株主本人が行うことになる。また実際の特別口座での運用は、1月5日の電子化から約3週間後にスタートする予定で、この移行作業が完了するまで売買はできない。