言える? 訪日客数↑でもホテル稼働率↓の原因

最近、日経新聞を読んでいると、東京・大阪のビジネスホテルの稼働率が少し下がっているとの小さな記事がありました。

年に100泊くらいは出張している私としても、肌感覚で大阪などのホテル代が、昨年、一昨年に比べて下がっていると感じます。大阪でよく泊まるホテルで、昨年には1泊6万円と言われたことがありました(もちろん泊まりませんでした)が、最近では以前のように1万円台で泊まれることがほとんどです。

しかし、別の統計を見ると不思議なことがあるのです。訪日外国人観光客の数を見てみると、今年の上半期でも前年よりも20%以上訪日客数は増加しているのです。その中心は相変わらず中国人です。

訪日客数が増加しているのに、ホテルの稼働率や価格が下がっている。

この事実に対していくつかの仮説が成り立ちますが、私が持っている仮説は「闇民泊」です。もちろん、「東京や大阪でホテルの客室数が増加した」「数千人が泊まれるクルーズ船での訪日客が増加した」などの原因も考えられますが、闇民泊の影響が多いと思います。

民泊を紹介するひとつのサイトだけでも3万室程度が出ていると言われています。中国人専用のサイトもたくさんあるとのことです。

大阪で聞いた話では、それほど採算を生まないビルやマンションなどを、中国人が一棟買いして、それを民泊用に改装し貸しているということです。1室を1万円程度で貸しているようですが、1室に5人くらいは泊まれるので、ひとり当たりだと1泊2000円くらいです。私が出ている大阪のテレビ番組では、オーストラリア人の若い4人のグループがひとり1泊2400円くらいで4泊ほど泊まっていると発言していました。

もちろん、闇民泊は法律違反ですが、政府も見て見ぬふりをしているのだと思います。訪日客の大幅増加を政府は望んでいるのですが、それにより私たちビジネスマンは宿泊代の高騰という非常な迷惑を被りました。その状況が続けば政権への批判も高まります。そこで、現状は特区だけで認めている民泊を、事実上は放任しているのではないかと思っています。流れ的にも、現在は特区でも連続6泊などの規制がある民泊の要件を緩和する方向で進んでいます。私はとても良いことだと思っています。