「賢さの鍵を握るのは“読書体験”」と、教育の専門家は言う。では東大生は、小学生時代、毎月何冊の本を読み、どんな本を読んできたのか? 知られざる東大生の読書歴をご紹介します。

頭のいい子は本をよく読むというけれど、実際はどうなのだろう。現役東大生にアンケートで、小学生時代の読書冊数について聞いたところ、ひと月平均7.4冊だった。

このペースで本を読んだとすると小学校6年間で533冊になる。全国平均は月5.6冊(出典:学研教育総合研究所、小学生白書Web版「小学生の日常生活に関する調査」2014より)。比べると小学校生活で130冊も読書量の差が出ることになる。

「読書の量が学力に影響する」と指摘するのは、『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』の著者で、東京杉並区で個人指導塾「V‐net」を主宰する松永暢史さんだ。

「賢い人は本が好きだと思っている人はいると思いますが、逆です。本を数多く読むと言語的な理解力が上がり、言葉を使いこなす能力も身につきます。さらに、考える時間も増えて思考力が高まる。結果、勉強もできるようになるわけです」

事実、松永さんの教え子の中に、お小遣いで毎日、中古本を1冊買って読み、年間300冊近くを読破した生徒がおり、苦手だった国語の成績がメキメキ上がり、得意科目にしてしまったという。

では、東大生たちは小学生のときにどんな本を読んできたのか。小学生時代に読んで面白かった本を5冊挙げてもらい、男女別に上位のものを集計したのが表だ。男子は上位から人気の児童書「かいけつゾロリ」シリーズ、「ハリー・ポッター」シリーズ、長編ファンタジー小説「ダレン・シャン」シリーズ。女子は1位「ハリー・ポッター」シリーズに続き、2位は同数で「黒魔女さん」シリーズ、「星新一」の本とSF小説が挙がった。