個人や家庭マーケットをターゲットとする太陽生命、中小企業マーケットをターゲットとする大同生命、そして変額個人年金など銀行等窓販事業に特化するT&Dフィナンシャル生命。この毛色の違う、テリトリーの異なる3つの保険会社を傘下に持つ保険持ち株会社のT&Dホールディングス。その発足当初から陣頭指揮してきたのが宮戸直輝社長。「三本の矢」の教えもあるが、3つのカラーはより強い色彩を放つことができたのか。

――100年に一度の危機は、保険事業にはどのような影響がありますか。

確実に影響は出てきているのですが、一番困るのがどのあたりが景気の底だかわからないことです。中小企業との取引が多い大同生命の業績はこれまでずっと景気に左右されてきました。たとえば、2007年度の業績が一番よかったのですが、それがピークを打つと徐々に業績が下がってくる。数年経つと、景気が戻り、黒字企業が増え、中小企業も元気になってきて、企業業績も戻り始めるという景気循環型のサイクルがあるのですが、今回はそうした経験がまったく当てになりません。

人事交流、抜擢人事で人を育てる

<strong>T&DHD 宮戸直輝社長</strong>●1967年、大同生命保険相互会社入社。92年調査部長、94年取締役就任。常務、専務を経て、99年社長に就任。2002年、相互会社から株式会社化し、大同生命保険株式会社の社長に就任。04年T&Dホールディングス社長に就任。
T&DHD 宮戸直輝社長●1967年、大同生命保険相互会社入社。92年調査部長、94年取締役就任。常務、専務を経て、99年社長に就任。2002年、相互会社から株式会社化し、大同生命保険株式会社の社長に就任。04年T&Dホールディングス社長に就任。
――宮戸社長は、文化の違う会社を統合し、グループを牽引する中で、派閥や壁を感じることはありましたか。

役員のスピーチ一つ取ってみても、丁寧に諭すように喋るアットホームなところもあれば、要点だけパッパッと伝えてとにかく頑張れというところもある。それを職員全員がメモを取る部署もあれば何もしないところもある。社風の違いは確かにあります。ただ3つの保険会社の個性を失ってはいけない。社風を統一する必要はありませんが、問題は、情報を共有するとか、他の部署と共同することにバリアがあってはいけない。グループ企業間にバリアがあり、一つの会社の中でも部門ごとに、あるいは本社と支社の間に、さらには上司と部下との間にバリアがある。とくに目に見えないバリアをなくさなければいけないと考えています。

そのために、管理職を含めて人事交流を積極的に展開してきました。違う社風や価値観、やり方の会社、部署に入っていくことで両方の長所、短所に気づいてもらいたい。そのためには一人ひとりが意識してグループ内で積極的にコミュニケーションを取っていくことが重要です。