徳島に女性経営者やリーダーが多い理由とは?

女性活躍の実態には、日本国内で意外なほど地域差があることをご存知でしょうか。

例えば、徳島県は、

●「管理的職業従事者に占める女性の割合及び都道府県の審議会委員等に占める女性の割合は全国トップクラス」(2015年 内閣府 男女共同参画全国女性の参画マップ)
●くるみん認定率(*)は全国1位(2015年5月 厚生労働省徳島県労働局)(*)「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた企業が、次世代認定マーク(愛称:くるみん)を、商品、広告、求人広告などにつけ、子育てサポート企業であることをアピールすることができる。

などの実績を有しています。古くから、徳島県の女性は、「阿波女」と呼ばれ、明るくて働き者で活動的な女性だといわれてきました。

「AWAおんなあきんど塾」は、1995年8月、徳島市からの呼びかけで女性経営者10人が集まり、「徳島の経済活性化のため、知恵と行動でその方策を探り、かつ取り組みをしていこうとする徳島の女性経営者の集まり」として発足した組織です。

本稿では、「AWAおんなあきんど塾」の初代座長である、クラッシー 代表取締役 植田貴世子氏にご協力を頂き、徳島に女性のリーダーが多い理由を探ります。

【徳島に女性のリーダーが多い理由1:「自然体」で働ける風土

徳島で女性リーダーが多い背景として、女性が「自然体」で働ける風土が伝統的にあるという点を、まず挙げたいと思います。

女性が継承しやすい経営規模の企業が多いことです。

経済産業省(2016年中小企業白書)によれば、都道府県別の企業数に占める小規模企業(*)の割合は、徳島県が全国4番目に高い割合です。前出・植田氏は話します。

「企業規模が小さい企業が多いため、父親や夫が亡くなった後に女性が継承しても、家庭と両立をしながら経営をすることができます。徳島では、建設業など一般的に女性が経営することが難しいといわれている業種でも、女性の経営者が活躍しています」

このことは、適正な業務量の範囲内で責任ある役割を任せることで、時間などに制約のある女性であっても、リーダーとして活躍できる場合が多いことを示唆しています。

男性を中心とした組織運営で長時間労働を当たり前とする風土とは、異なる雰囲気があるということです。
(*)小規模企業とは、(1)卸売業・小売業・サービス業は常時雇用従事者5人以下、(2)製造業・建設業・運輸業及び(1)以外の業種は常時雇用従事者20人以下の企業。