7月の東京都知事選に党執行部から出馬を要請され、本人も出馬への意欲を示した。これには事情がある。「与党から『蓮舫出馬せず』という情報がいち早くリークされたから」(民進党関係者)。与党の本音は「蓮舫が出れば、前回、舛添要一・前都知事を推薦した経緯ばかりか、甘利明・前経済再生相の現金授受問題も鋭く追及される。同時期の参議院選にもマイナス。相乗り候補で対立を避けたい」。敵対する政党の政治家の出馬を潰すために「不出馬」を事前にリークするのは、永田町の常套手段だ。「露骨な『蓮舫潰し』に怒って、『ギリギリまで考える』と出馬をにおわせた」(同)。だが結局、政権交代を優先。「やりたいことは国政にある」と不出馬を表明した。

民進党代表代行 蓮舫(AFLO=写真)

「次の代表、そして女性初の総理も狙っている」と言われる。ニュースキャスターを経て、2004年に初当選。的を射た追及力を評価され、予算の無駄を見直す鳩山由紀夫政権の「事業仕分け」で活躍。スーパーコンピュータ開発費をめぐって飛び出した「2位じゃだめなんでしょうか」の一言は有名だ。批判もされたが、既得権に執着する役人を懲らしめるイメージが人気を呼び、菅直人政権の行政刷新担当相などを歴任した。

学生時代から群れることを嫌い、タレント時代のモットーは「相槌よりも自己主張」。早口で切り口上。反発も買うが、安倍晋三総理のけんか腰に負けない強さは、弱い野党で貴重だ。攻撃力がウリのスター議員は、道筋の見えぬ政権交代に向けてリーダーシップを発揮できるか。

 
民進党代表代行 蓮舫(れんほう)
1967年、台湾人の父と日本人の母との間に生まれる。ニュースキャスターを経て2004年参院選初当選。民主党政権下で行政刷新担当相。
(AFLO=写真)
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