古くて新しい? 日本の野菜

ロマネスコ、バターナッツ、トレビス、アイスプラント、スティックセニョール。これらは何のことかわかりますか? 実はいずれも野菜の種類なのですが、この数年でスーパーでも見かける機会が増えてきたものばかりです。

ロマネスコはカリフラワーの一種で、ドリルの先端のような特徴的なフォルムをしています。スティックセニョールは一般的には茎ブロッコリーと呼ばれますが、その名の通り、通常のブロッコリーに比べて茎の部分が長いという違いがあります。バターナッツはひょうたん形のかぼちゃで、ねっとりと濃厚な味わいです。

ロマネスコ(上)とスティックセニョール(下)

野菜に対する注目は依然高いままなので、こうした「新しい野菜」が次々に外国からやってきたり、あるいは品種改良によって誕生したりしているのです。一方で、私たちにとって馴染み深い野菜が実は日本において歴史が浅いという事実もあります。

例えば白菜。冬場の鍋物には欠かせませんし、漬け物としても重宝される白菜は、和食を象徴する野菜のように感じられます。しかし元々中国が原産で、日本にはじめて紹介されたのは明治8年の東京博覧会のときだそうです。当時は栽培の難しさもあり、日本の食卓に普及していったのは昭和に入ってからのことなのです。

納豆と混ぜたり、あるいはおひたしにしたりしてもおいしいオクラも、和食のイメージが強いものです。しかしオクラは日本人にとっては白菜以上に歴史が浅い食べ物です。皆さんはオクラを漢字で書けますか? 「小倉」? それとも「奥良」? いずれも違います。「秋葵」や「陸蓮根」などの字をあてることはあるようですが、実はオクラは「okra」という英語に由来するので、そもそも漢字表記がないのです。