「生食リスク」を再認識せよ

梅雨が近づき、気温も湿度も上がっていくと、食材は傷みやすくなっていくものです。つい先日も、野外で開催された肉のイベント「肉フェス」で多くの人が食中毒を発症しました。原因とされているのは、限りなく生の状態に近い鶏肉を使った寿司です。患者からは食中毒を引き起こすカンピロバクターが検出されたそうです。

気温が高くなるこの季節に、生に近い鶏肉を屋外で提供することの危険性を、提供者やイベント主催者がきちんと考えなかったことには、あきれてしまうというのが正直なところです。閉鎖環境でオペレーションも安定した飲食店ならともかく、「保冷もままならない屋外の特設会場」や「飲食の素人が多数まぎれこむイベント特有の人員体制」などを考慮すれば、そもそもそんなメニューを選択すること自体が間違いだったと言わざるを得ません。

こうしたイベントに出店側として参加している知人男性は、今回の事故が起きるだいぶ前から、「肉フェスは近々絶対食中毒を起こす」と予言していました。飲食店のプロである彼の目には、その危うさが十分に見えていたのでしょう。そういう意味では、今回の食中毒は「起こるべくして起こった」と言えるはずです。

ちなみに、こうした事件の背景には日本人の「生食崇拝」もあると感じます。「生でも食べられる魚を焼いた」と聞くと、何か特別な食材を食べている気になります。あるいは、普段あまり見かけない「穴子の刺身」などを見かけると、興味をそそられる人も多いでしょう。しかし、改めて「生食」には一定のリスクがあることは再認識しておいて損はないはずです。