億単位のビジネスを動かす外資系投資銀行。彼らの使うプレゼン資料はシンプルで見やすいが、それゆえに商談を勝ち取るだけの様々なテクニックが隠されている。そんな資料作成の秘策を『外資系投資銀行の資料作成ルール66』の著者が教えます。

見やすい資料は表記の統一も大切

見やすい資料を作成するためには、言葉の使い方も大切です。なかでも、表記の統一は重要で、たとえば「売上」と「売り上げ」が混ざって表記されていると、とても読みにくい資料になります。表記の統一方法については、個人、企業によってさまざまな工夫をしているようです。その例を紹介しましょう。

『外資系投資銀行の資料作成ルール66』熊野整著 プレジデント社
(1)単語の登録

よく使う単語を登録しておく方法があります。たとえば、「~いたします」で変換すると、必ず「~致します」になる、というものです。これは一度単語登録しておけば、その後ずっと思い通りの変換ができるので便利ですね。

なかには、すばやくタイピングするために、「よろ」と入力して変換すると「よろしくお願い申し上げます」と表示されるように単語登録をしている方もいらっしゃいます。たしかに、一生のうちにメールで何回「よろしくお願い申し上げます」とわざわざ打ち込んでいるのだろう……。そう考えると、単語登録しておいたほうが効率的と言えるかもしれません。

(2)用語集の作成

チームで提案書を作成する場合には、用語集を作成する場合も散見されます。たとえば、「および」は必ず「及び」にする、あるいは、「ならびに」は必ず「並びに」にする、といった具合ですね。一度用語ルールを決めておけば、チームで混乱することもありません。