サークルKサンクス買収でファミリーマートがコンビニ2位に浮上するが、新生ファミマ社長に就任する澤田貴司氏に注目が集まっている。実は澤田氏はローソン社長の玉塚元一氏とは関係深い人物で、ともにリヴァンプ、ファーストリテイリング出身で、2人の「同門対決」から目が離せない。

澤田ファミマVS玉塚ローソンの戦い

流通業界にとって今年、最大の話題は、コンビニエンスストア第3位のファミリーマートと、同業4位のサークルKサンクスを傘下に抱える流通大手のユニーグループ・ホールディングスの経営統合であるに違いない。何しろ、9月の統合によって、コンビニ2位のローソンを抜き、最大手のセブン-イレブン・ジャパンに国内店舗数で肉薄する2位のコンビニ事業会社が誕生するからだ。

興味を引くのは業界勢力図のゆくえにとどまらない。ファミマとサークルKサンクスを「ファミリーマート」ブランドに統一し、運営に当たるコンビニ事業の新会社「ファミリーマート」の社長に、9月1日付で企業再生会社、リヴァンプの澤田貴司社長兼最高経営責任者(CEO)という外部人材の起用を決めたのだ。

ファミマ、ユニーが統合してできる持ち株会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス」の社長はファミマの上田準二会長が就く、順当な人事に収まっただけに、澤田氏の起用はまさにサプライズそのものだった。

ローソンの玉塚元一社長もリヴァンプ出身で、澤田氏と同社を立ち上げた盟友として知られる。さらに、カジュアル衣料専門チェーン「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの社長の座を巡っても、2002年に副社長だった澤田氏が柳井正会長の打診を辞退して退社し、玉塚氏が就いたとされる経緯もある。こうした因縁めいた「同門」のプロ経営者同士が期せずして同じコンビニという土俵で熾烈な戦いを演じることになるだけに、新生ファミマのトップ人事にコンビニ業界の興味は尽きない。