「中高英語をざっと学び直して、仕事やプライベートで基本的な英語を使いこなしたい」。それなら、何冊もの分厚いテキストで勉強し直す必要はない。たった7日間で、簡単に思い出す方法がある。わかりやすい英語学習書をいくつも著している石崎秀穂氏が解説する――。

動詞がとっさに頭に思い浮かびますか?

皆さん、「コレ、ください」「地下鉄に乗ろう」と英語で話せますか? 「コレ、ください」は「I'll take this.」。「地下鉄に乗ろう」は、「Let's take the subway.」です。「コレ」や「地下鉄」は英語で言えても、「ください」「乗ろう」は言えなかったのではないでしょうか。

とっさに動詞が出てこないのは、日本の英語教育が、日本語と英語を1対1で対応させていく方法を取ってきたから。たとえば、学校教育では「put」は「~を入れる」「~を置く」「~を記入する」といった1対1の覚え方をさせます。すると社会人になったときに、「カバンに財布を入れておくね」を英語にしたくても、「I'll ○○ your wallet in your bag.」までは何とかつくれても、○○に「put」を使うことができず、結局英語で表現できないままなのです。

先ほどの「take」や「put」は「基本動詞」といわれるものです。この基本動詞は、1対1で複数の日本語訳を覚えるのではなく、たった1つの「基本イメージ」を覚えることが重要です。「put」なら「動かして、あるところに位置させる」、「take」なら「つかんで運ぶ」というのが正しいイメージ。

基本動詞で重要なのは、「get」「have」「take」「put」「make」「come」「go」「give」「run」「be」の10語になります。どれも中学校で習ったものですが、この10語を使うだけで、たとえば591ものフレーズを使えることができ、日常やビジネスでさまざまな表現ができるようになります。

じつは英語を手っ取り早く上達させるカギは、基本動詞の基本イメージをつかんでしまうこと。「基本動詞10語」を軸にした復習法では、膨大な単語や熟語といったボキャブラリー一切を脇に置き、最小限の文法知識に絞って、中高英語を最短で思い出す方法に特化します。