花粉症組と非花粉症組は一生わかり合えない?

街中から職場まで、いたるところでマスク姿が増えている。

花粉症シーズンの到来である。東京では3月の中旬までピーク期は続くと予想されている。

日本リサーチセンターの「花粉症/花粉アレルギーについての調査」(2015年3月調査)によると、花粉症/花粉アレルギーを持っている人は35.3%。10人に3人~4人が花粉の症状を患っているようだ。

花粉対策は、

・普通のマスクをする(59%)
・医師処方の飲み薬(34.2%)
・市販の目薬(33.5%)

の順に多い。2010年の同調査では「普通のマスク」は31.3%だったので、約2倍に増えたことになる。その半面、花粉症防止効果が高い「花粉症用のマスク」は調査の5年前から20%弱と変わっていなかった。一方は増え、一方は増えない。実は、後述するようにこの現象を深読みすると面白いことがわかる。

いずにれせよ、花粉のピークとなる3、4月は街中にマスク姿があふれかえるのが「風物詩」となっている。

マスクや飲み薬を忘れて外出すると、どうなるのか。当事者に聞くと……。

「『ヘエックション!』というおじさん顔負けのくしゃみが出るわ、気づいたら鼻たれ小僧みたいに両穴から鼻水が出ているわで、一気に女失格の烙印を押されます。先日は食事中に威勢よくチーンと鼻をかんで、隣に座っていた男子に白い目で見られました」(32歳女性・重度の花粉症)

花粉症の「重症者」、特にマスクで対策している人にとってノーマスクは地獄そのもの。防御する武器を一切持たずに戦場に挑むようなものだ。そうした経験からか、マスクに抵抗を感じない人は8割にものぼる。マスクをつけることは「恥ずかしい」「格好悪い」「不潔だ」と思わない人々は着実に増加している。